朴槿恵氏「真実 必ず明らかに」 韓国大統領府を退去
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【ソウル=峯岸博】韓国の朴槿恵(パク・クネ)前大統領が12日夜、ソウルの青瓦台(大統領府)の公邸から退去し、市内の自宅に車両で戻った。側近の国会議員を通じて声明を発表。「大統領としての使命を最後まで全うできず、申し訳ない」と謝罪する一方で「時間はかかるだろうが、真実は必ず明らかになると信じている」と述べた。
友人の崔順実(チェ・スンシル)被告を巡る事件への自らの関与を改めて否定し、憲法裁判所の罷免決定への不服を示唆したとみられる。声明では「私を信じて声援してくださった国民の皆さまに感謝する。私はすべての結果について背負っていく」とも語った。
検察は近く朴氏の本格捜査に乗りだすとみられ、収賄容疑などでの聴取を念頭に朴氏の出国を禁止する措置も検討しているとされるが、朴氏は捜査でも容疑を全面否認する見通しだ。野党などは韓国社会の分裂拡大を避けるため朴氏自らが憲法裁決定の受け入れを表明するよう迫っていた。
朴氏は2013年2月の就任から4年余りで青瓦台を去った。本来なら罷免されて失職した10日中に退去しなければならなかったが、自宅の受け入れや警備の態勢が整っていないことなどを理由に12日までずれ込んだ。
自宅前では、罷免決定に反対する大勢の支持者らが国旗の太極旗を手に朴氏を出迎えた。紺のコート姿の朴氏は車中から手を振って応えていたが、到着後は車から降り、駆けつけた与党の「親朴」派議員や自らに仕えた元大統領府高官らと笑顔で言葉を交わした。
聯合ニュースによると、江南区三成(サムソン)洞の自宅は1983年に建てられ、朴氏は90年から13年2月に 青瓦台に入るまで23年間住んだ。