2018年11月16日(金)

ギリシャ再支援へ調整 ユーロ圏財務相、改革案を精査

2015/7/12付
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【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)はギリシャ議会が11日に金融支援を受けるための財政改革案を承認したのを受け、支援の再開に向けて最終調整に入った。11日午後(日本時間同日夜)から緊急のユーロ圏財務相会合を開き、ギリシャが求める3年間の新規融資や債務の減免といった支援に踏み切るかを協議した。ギリシャが改革案の実行を確約できるかが焦点になる。

財務相会合で協議がまとまらなかった場合は、12日にEU首脳会議を開いて最終合意をめざす。そこでも合意できなければギリシャは財政破綻しユーロ圏からの離脱を迫られるおそれがある。

ギリシャ議会が11日に承認した財政改革案は、年金給付の抑制などEUの要求に大きく歩み寄る内容になっている。だが、ユーロ圏財務相会合のデイセルブルム議長(オランダ財務相)は11日の会合前、記者団に「きょうは非常に厳しい会合になるだろう」と述べ、ギリシャになお不信感を抱く加盟国が少なくないとの認識を示した。

一方、欧州委員会でユーロ問題を担当するドムブロフスキス副委員長はギリシャ案を「明らかに進展した。債権団が求める改革案にかなり沿った内容だ」と評価した。

ギリシャはユーロ圏の財政危機国を支援する基金「欧州安定メカニズム(ESM)」を活用した3年の融資を求めている。欧州メディアによると、欧州委員会や国際通貨基金(IMF)などギリシャ債権団の実務者チームは10日夜、新たな金融支援に必要な額は740億ユーロ(約10兆円)に達するとの審査結果をまとめた。ギリシャ側が要請していた535億ユーロより膨らむ見通しだ。

支援再開の見通しが立てば、ギリシャ側が求める債務の減免にEU側が応じるかが最大の焦点となる。ギリシャ政府の債務残高は3月末時点で3100億ユーロ超(約42兆円超)に達する。チプラス首相は議会演説で「債務の再編(減免)について初めて重要な議論を(EU側と)交わしている」と明かした。

チプラス首相は5日の国民投票で6割超が財政緊縮策に反対したにもかかわらず、改革案でEUが求める増税などを受け入れた。EU側から債務の減免という国民の目に見える成果を勝ち取れなければ、窮地に追い込まれる可能性がある。

ただ、ギリシャの債務減免を巡っては、ドイツなど慎重な加盟国が少なくない。柔軟な姿勢をみせてきたサパン仏財務相も11日は「債務の削減は多くの加盟国にとって応じられない一線になっている」と述べ、借金の棒引きでなく、返済期限の延長や金利の減免といった軽減策を中心に協議する考えを示唆した。

20日に迫った欧州中央銀行(ECB)が保有する35億ユーロのギリシャ国債の償還資金をどう手当てするかも議題となる。返済できなければECBがギリシャの銀行への資金供給策を打ち切る可能性があり、対応が急務となっている。

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