2018年7月22日(日)

ミャンマー政権交代へ スー・チー派単独過半数の勢い

2015/11/11 23:23 (2015/11/12 1:41更新)
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 【ヤンゴン=松井基一】8日に総選挙が実施されたミャンマーでアウン・サン・スー・チー党首率いる最大野党、国民民主連盟(NLD)が政権を取ることが確実になった。テイン・セイン大統領は11日「平和的に政権を移譲する」との声明を発表し政権交代を事実上、認めた。1960年代から半世紀以上にわたり内政を掌握してきた軍が政権を手放すことになり、同国の民主化改革は歴史的な節目を迎えた。

 テイン・セイン大統領は同日の声明で、「国民の支持を得たスー・チー氏を祝福する。選挙後の平和と安定に向け、全当事者と協力する」などと表明した。

 ミャンマー国会の議席数は664で、4分の1の166を非改選の軍人議員議席が占める。改選対象は残りの498だが、7選挙区では少数民族武装勢力との衝突などを理由に選挙を実施していない。

 11日午後6時(日本時間同8時半)時点の選管の公式発表で、改選対象の491議席のうち6割の勝敗が確定し、NLDは8割超の256を確保した。一方、テイン・セイン大統領の出身母体である与党、連邦団結発展党(USDP)の獲得議席は21にとどまる。残る192議席のうちNLDが77議席を獲得すれば単独過半数となる。

 スー・チー氏は同日、円滑な政権移譲を目指し、テイン・セイン大統領と国軍トップのミン・アウン・フライン総司令官、シュエ・マン下院議長に対し、「国民和解」を目指して来週中の会談を呼びかける書簡を送ったことを明らかにした。

 ミャンマー国防省は11日夜、総司令官がスー・チー氏から書簡を受け取ったとしたうえで、「選挙の全工程が終わったら、スー・チー氏と会い、相互の協力のために話し合いたい」との内容のコメントを発表した。スー・チー氏と総司令官、テイン・セイン大統領などとの会談が近く実現する。

 スー・チー氏は2人の息子が英国籍のため憲法の規定により大統領になれないが、「新政権は自分がすべてを決め、大統領に権限はない」と発言している。

 60年代から軍事政権が続いたミャンマーでは、東西冷戦の終結など世界的な民主化の流れを受けて、軍政下の90年に民政移管を目指した総選挙を実施した。スー・チー氏を中心に結成されたNLDが8割の議席を獲得して圧勝したが、国軍は政権移譲を拒否。スー・チー氏を自宅軟禁に置くなど、民主化運動を弾圧してきた。

 2010年に20年ぶりの総選挙を実施したものの、自宅軟禁中だったスー・チー氏を排除したため、NLDはボイコットした。軍政の受け皿政党であるUSDPが逆に改選議席の8割を押さえ、旧軍政の首相だったテイン・セイン氏が大統領に就任した。

 当初は軍政の事実上の継続とみられたが、現政権はスー・チー氏に政治参画を求めるなど民主化改革を推進した。

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