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石油輸出に上限、米決議案歩み寄り 安保理採決へ
対北朝鮮、中ロの同意なお不透明

2017/9/11 18:23 (2017/9/11 22:29更新)
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 【ニューヨーク=高橋里奈】国連安全保障理事会は11日午後(日本時間12日午前)、6回目の核実験を強行した北朝鮮に対する追加制裁決議案を採決する。制裁決議を主導する米国は10日、北朝鮮への石油の全面禁輸を取り下げ、原油や石油精製品の輸出に上限を科すにとどめる内容の修正案を配布した。厳しい制裁に慎重な中ロに配慮して歩み寄りを促すが、両国が追加制裁案に同意するかは見通せない。

 米国は10日深夜、6日にまとめた制裁決議原案の修正案を理事国に配布。これに基づいて11日午後に安保理で採決に付す考えを伝えた。

 原案と修正案の最大の違いは北朝鮮への石油輸出の取り扱いだ。日本経済新聞が入手した修正案によると原油や石油製品の輸出に上限を科し、石油の全面禁輸は見送った。北朝鮮の大混乱につながる全面禁輸に慎重な中ロに配慮して譲歩したとみられる。

 原案にあった金正恩(キム・ジョンウン)委員長の資産凍結や渡航禁止も見送った。北朝鮮の貨物船を公海上で検査する権利を国連加盟国に認めていたが、修正案では検査の際に同意が必要との条文を加えた。

 一方、修正案は北朝鮮からの繊維輸入の禁止はほぼ原案通り盛り込んだ。出稼ぎ労働者の受け入れを巡っては、既に働いている労働者の強制送還は見送ったが、新たな就労許可の付与は禁じた。北朝鮮が核・ミサイル開発にあてる資金の遮断につながる措置では小幅な譲歩にとどめた。

 焦点は中ロの対応だ。中国外務省の耿爽副報道局長は11日の記者会見で「中国は国連安保理が必要な措置を取ることに賛成する」と述べた。追加制裁に前向きとの受け止めも可能だが、11日の採決で修正案に賛成するかは言質を与えなかった。ロシアも追加制裁に慎重な立場を繰り返している。両国が制裁に同意するかはなお不透明だ。

 北朝鮮は国際社会で続く制裁強化の動きに強く反発した。北朝鮮外務省は11日発表した非難声明で「米国の行動を注視している」とし、「過酷な制裁決議をでっちあげるのなら、我々は必ず米国に相応の代価を払わせる」と警告した。朝鮮中央通信が同日伝えた。

 北朝鮮が建国記念日の9日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射などに踏み切るとの観測もあったが、ここまでは新たな挑発を見送っている。国連安保理の制裁決議の採否次第では、北朝鮮が再び核実験などを強行する恐れもある。

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