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トルコのGDP5.1%増 4~6月、景気刺激策が奏功

【イスタンブール=佐野彰洋】トルコ統計局は11日、4~6月期の実質国内総生産(GDP)が前年同期に比べ5.1%増えたと発表した。信用保証基金の拡充による融資の拡大など政府の景気刺激策が奏功した。輸出の伸びも寄与した。昨夏のクーデター未遂事件で冷え込んだ景気の持ち直しが鮮明となった。ただ、民間投資は依然として力強さに欠け、官主導の回復は危うさもはらむ。

GDPの6割を占める個人消費は3.2%増と前期並みの伸び率を確保した。減税措置を導入した家電製品などの販売が好調だった。最大の貿易相手である欧州連合(EU)の景気回復を受け、輸出は10.5%増だった。

シムシェキ副首相は11日、「消費者信頼感が回復し、信用保証基金が成長に貢献した」との声明を発表した。7~9月期も成長の勢いが持続するとの見方を示した。

2四半期連続の5%成長達成を受け、通貨リラの11日の対ドル相場は上昇した。一時1ドル=3.4リラを下回り、年初来高値を付けた。

トルコ統計局は今回のGDP発表に合わせ過去に遡った改定値も発表した。2016年の成長率は2.9%から3.2%へと上方修正された。

トルコでは昨年7月に軍の一部によるクーデター未遂事件が起きた。政権転覆の試みはただちに鎮圧されたが、消費者心理の悪化などから16年7~9月期は0.8%減のマイナス成長に陥った。

急激なリラ安にも見舞われ、エルドアン政権は中小企業を支援するため信用保証基金を大幅に拡充した。今月1日時点の融資保証実績は約33万社、約1900億リラ(約6兆円)に達する。

大統領権限集中の憲法改正の是非を問うた今年4月の国民投票の前後には景気刺激のため公共工事などの政府支出を急激に増やしており、財政の悪化が一部で問題視されている。

官民の建設や設備投資の合計である総固定資本形成は9.5%増と高い伸びを記録したが、内訳をみると「建設」が25%も伸びた一方で、「機械・設備」は8.6%減と4四半期連続のマイナスだった。トラックやバスの販売が乗用車以上に落ち込むなど、民間投資は力強さに欠ける。

専門家は信用保証基金を通じて供給された資金が不動産市場に流入している可能性を指摘している。最大都市イスタンブールでは商業施設や高級住宅の過剰な供給が続いている。

トルコはGDP比4%近い経常赤字を抱え、国内で不足する資金を海外からの短期借り入れに依存している。欧州の量的金融緩和や原油価格の低迷などの追い風がやんだ際の脆弱さは変わっていない。

人権状況の悪化を批判するEUとの関係悪化も目立っており、海外からトルコへの直接投資も伸び悩む。

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