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EU、不良債権130兆円処理急ぐ 行動計画を採択

【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)は11日、財務相理事会を開き、域内銀行が抱える約1兆ユーロ(約130兆円)の不良債権の処理を加速させる行動計画を採択した。情報開示の強化や、不良債権を銀行から買い取る仕組みの整備など改革メニューを列記。不良債権処理の遅れが金融システムを不安定にするリスクを抑え、欧州経済の成長を促す狙いだ。

理事会はEU域内の不良債権残高が9904億ユーロなどとするリポートを公表した。不良債権比率(貸出金に占める割合)はEU平均で5.1%に達した。単純比較は難しいと断りつつ、米国の1.7%(15年末)や日本の1.6%(同)に比べ「かなり高い」と指摘。行動計画は「不良債権比率を持続可能な水準に戻す努力が要る」と訴えた。

域内では南欧などで不良債権処理の遅れが目立つ。イタリアなど10カ国で不良債権比率は10%を超え、ギリシャとキプロスは40%超に達した。行動計画は現状のままでは「域内の経済や金融システムに広がるリスクをもたらす」と警告した。

行動計画では欧州銀行監督機構(EBA)に対し18年末までに、域内の全銀行を対象に不良債権の情報開示を拡充するよう要請。市場でくすぶる欧州銀の資産内容への疑念解消につなげる考え。

不良債権処理の加速策では、欧州委員会に対し17年末までに「バッドバンク」とも呼ぶ、銀行から不良債権を買い取る資産管理会社を加盟国ごとに整備する計画を作るよう求めた。EBAなどは当初、EU全体でのバッドバンク創設を唱えていたが、ドイツなどで南欧の不良債権処理に自国民の税金が使われるとの反発が出て、加盟国別に整える現実路線をとる。

不良債権の増加に備えた資金手当てを拡充する検討も欧州委に要請。財務相理事会は半年後に計画の進捗を点検する。

EUでは6月以降、イタリアやスペインで銀行の破綻処理や公的支援による救済が相次いでおり、今回の行動計画で不良債権処理を後押しする。欧州中央銀行(ECB)による超金融緩和が正常化に向かう際、不良債権問題が金融システムの波乱要因となるのを防ぐ。

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