元安誘導、国際化に逆行 人民元切り下げ

2015/8/11 13:02
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 【北京=大越匡洋】中国人民銀行(中央銀行)が11日、毎日の人民元相場の起点となる基準値(中間値)を前日から約2%切り下げたのは、不振にあえぐ輸出企業の支援が狙いだ。人民銀は同日の声明で「市場の需給に基づく為替相場形成」をめざすと説明したが、実際には露骨な元安誘導に踏み切った形で、人民元の国際化の流れに逆行するとの批判を浴びそうだ。

 人民元相場は人民銀が毎日、基準値を公表し、対ドルでは基準値から上下2%の範囲内での変動を認めている。変動幅は徐々に拡大してきたが、実際は人民銀が決める基準値が相場形成の目安となり、当局の意向で相場を誘導できる仕組みだ。

 中国国務院(政府)は7月下旬に発表した輸出促進策のなかで、人民元の変動幅を一段と拡大する方針を表明した。中国の景気減速や米国の利上げ観測に伴い、市場では元安が進むとの見方が浮上。変動幅を広げることで人民元の下落余地を大きくし、輸出増につなげる狙いが濃厚だった。

 ところが、今回、基準値の水準を切り下げ、一気に元安誘導に動いた。国際決済銀行(BIS)によると、人民元の実質実効為替レートは過去1年で約1割上昇したほか、人件費の上昇もあって7月は輸出額が前年同月比8%減少した。元安誘導で輸出を後押しし、景気の減速に歯止めをかけたい考えがうかがえる。

 ただ、米国を中心に「人民元相場は過小評価されている」との声は依然として根強いだけに、中国の元安誘導に対する国際社会の批判が強まる可能性もある。

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