2019年2月20日(水)

タカタ、被害者向け補償基金設立を拒否 エアバッグ問題

2015/7/11付
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【ニューヨーク=杉本貴司】欠陥エアバッグ問題を巡り、タカタは被害者向けの補償基金の設立を拒否した。当面、被害者に対して個別に対応する方針だ。タカタに基金設立を求めていた米上院のリチャード・ブルーメンソル議員は「驚き失望した」と厳しく批判しており、米国内で同社への批判が再燃する可能性もある。

補償基金の設立は、6月の米上院公聴会でブルーメンソル氏が要求していた。タカタ幹部は同氏宛ての手紙で「タカタはすでに複数の案件を(個別に)解決している」と説明したうえで「全米規模の補償基金は現時点では必要ないと信じている」と回答した。「そのような方法の利点を精査し続ける」とも記した。

タカタの欠陥エアバッグでは米国内外で少なくとも8人の死亡事故が確認されており、負傷者は100人を超える。

ブルーメンソル氏は「タカタは明らかに、悲惨な死傷者に対する責任を認識することに後ろ向きだ」と批判した。「私はタカタに対し、この無神経で誤った判断を再考するよう促していく」として、今後もタカタに補償基金設立を要求していく考えを示した。

ブルーメンソル氏が見本としたのが、昨年発覚した米ゼネラル・モーターズ(GM)の対応だ。GMは自発的に第三者による補償基金の設立を表明した。

当初はGMが十数人としていた死亡事故の件数が第三者による調査の結果、100人を超え、巨額の補償費用が必要となった。だが、対応の透明性を高めて被害者に手厚い補償を約束したことで、GMへの批判が一気に沈静化した。

タカタはこの手法について、GMの例では2009年に同社が米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を受けて経営破綻した影響があると指摘した。新生GMが法的に補償責任を免れる可能性があり、あえて基金を作って補償に応じたという理解だ。補償が免責されないタカタとは状況が異なるという。ただ、米国内では補償に後ろ向きと捉えられかねず、批判が再燃する可能性がある。

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