ネット通販、信頼性磨く 模造品排除や口コミ評価厳格に

2016/12/17 13:06
保存
共有
印刷
その他

【シリコンバレー=兼松雄一郎】米アマゾン・ドット・コムや中国アリババ集団など内外のネット通販大手が模造品の排除や口コミの評価の厳格化に乗り出した。アマゾンは主要ブランドと協力し模造品のあぶり出しを強化、悪質な業者に対し訴訟も起こし始めた。10月からは商品の無料提供を受けた人による評価を原則禁じた。ネット通販が浸透する中、信頼性の向上に取り組む。

アマゾンは口コミの投稿も厳しくした

アマゾンは口コミの投稿も厳しくした

アマゾンはブランドと協力し模造品対策を進める部門を新設する計画だ。米ナイキなどと連携し、販売者ごとに模造品を扱っていないかどうかの確認作業を厳しくした。模造品業者に対し既に少なくとも2件の訴訟を起こしている。

国際商業会議所(ICC)の推計によると2014年に世界の模造品市場は1兆7千億ドル(約200兆円)に達した。ネット通販の商品のうち1割程度を占めるとみられている。

米商品評価調査会社レビューメタによると、売り手から商品の無料提供を受けて投稿された口コミはアマゾンの評価全体の約3割を占め、甘くなる傾向があった。アマゾンはこうした投稿を原則禁じた。新製品を提供し評価するのは、アマゾンが選んだ消費者のみにした。

アマゾンはネット通販の信頼性向上に人工知能(AI)もさらに活用する。ワーナー・ボーゲルズ最高技術責任者(CTO)は取材に対し「社内に数千人単位のAI開発者がいる。模造品の発見、不正取引かどうかの確率の算出、口コミ投稿の精査といった具体的な課題で成果を上げている」と語った。

ルイ・ヴィトンやグッチなどの高級ブランドは2013年ごろから個別の模造品販売業者に対する訴訟を本格化させた。ティファニーが米競売大手イーベイを訴えるなどネット通販企業にも矛先が向きつつある。米国アパレル・フットウエア協会は中国・アリババ集団を模造品の温床と批判している。

アリババもAIによる不審な商品の検知、販売業者の信頼性の確認、模造品発見後の販売中止までの期間短縮など取り組みを進めている。ただ、商品も販売業者も急増する中、目立った効果が出ていないとの批判も根強い。信頼性向上へのアマゾンの取り組みの徹底は競合との違いを打ち出す狙いがある。

日本企業も対策を始めた。楽天は9月、出店企業向けに禁止事項に関する違反点数制度を始めた。偽造品の販売や商品の表記違反など規約を守らなかった場合のペナルティーを点数化する仕組みで、点数に応じて違約金の支払いや契約解除などの措置をとる。模倣品対策ではこのほか、1100超のブランドと提携し、不正な商品の取り締まりを強化している。

日本ヤフーはネット通販で通常価格などの「元値」をつり上げ、割引率を高く見せかける不当な二重価格の対策を強化している。商品の価格や過去の販売実績をシステムで管理。セール時だけ値段を操作するといった不正な商品を機械的に排除する。模倣品対策では24時間体制で、1日30万商品を目視とシステムでの検知の両方でチェックしている。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]