台湾の対中担当閣僚が辞任 機密漏洩騒動で引責

2015/2/10付
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【台北=山下和成】台湾の馬英九総統の側近として融和的な対中政策を担当してきた行政院大陸委員会の王郁琦・主任委員(閣僚)が10日、辞任を表明した。王氏は2014年8月、中国に機密を漏らした疑惑があるとして当時の台湾高官を解任したが、この元高官が10日に証拠不十分で不起訴となったため騒動の責任をとることにした。王氏の辞任は中台関係に大きな影響を与えそうだ。

王氏が解任したのは大陸委員会の副主任委員(副大臣)だった張顕耀氏。対中協定の締結などの交渉過程で機密をもらしていたとされた。張氏は解任後に潔白を主張。無実の人を政治犯として迫害する「白色テロ事件だ」などと批判していた。

調査した台北地方法院検察署(地検)は10日、張氏が一部の情報を漏らした事実は認められたが違法とまではいえないとの見解を発表、張氏を不起訴処分にした。

王氏は10日の会見で「検察の決定に納得できないが司法は尊重する」と述べた。馬総統も王氏の辞意を了承したという。

王氏は12年10月に大陸委員会トップの主任委員に就任。14年2月には南京で、中国の対台湾政策を担う張志軍・国務院台湾事務弁公室主任との会談を実現した。中台間の政策を担う中台双方の閣僚級の高官が直接会談したのは1949年の中台分断後で初めてだった。

一方、台湾では14年11月の統一地方選挙で与党・国民党が大敗するなど馬政権の対中融和政策に逆風が吹く。中国側は3月5日から台湾海峡上空で新たな航空機の航路を運用すると一方的に宣言し、台湾側がこれに反発している。王氏の辞任は、今後の協議の行方にも影響する可能性がある。

残り任期が約1年3カ月の馬総統の政権では国防部長(国防相)など重要閣僚の辞任が相次いでいた。馬氏の最側近である国家安全会議の金溥聡・秘書長も健康上の理由で12日に辞任する。王氏と金氏という2人の側近を欠き、馬政権の求心力は一段と低下しそうだ。

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