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スリランカ政府、大型港湾の権益を中国企業に売却へ

(更新)

【ムンバイ=堀田隆文】スリランカ政府が同国南部の大型港湾の権益を中国企業に売却する方針だ。港湾は中国による巨額支援を受けて2008年に開発を始めており、インド洋の重要港になる可能性を持つ。スリランカのシリセナ大統領は「親中外交」の修正を掲げるが、多額の負債を抱えており、中国に支援を求め続けざるを得ない。

スリランカの担当大臣が9日に声明を出し、方針を認めた。現地報道によると、中国港湾運営大手である招商局港口に約11億ドル(約1260億円)で南部ハンバントタ港の権益80%を売る。来年1月にも正式合意するという。

同港は親中外交を展開したラジャパクサ前大統領のもとで開発が始まり、両国関係の象徴とされた。10億ドルを超える開発資金の8割以上を中国が融資した。すでに一部が稼働しており、現在は拡張工事をしている。

インド洋の要衝といわれるスリランカのなかでも、天然の良港とされる。中国にとっては、インド洋から中東・アフリカに延びる海上交通路の確保をにらむ「真珠の首飾り」と呼ばれる安全保障戦略の重要拠点になる可能性もある。

スリランカでは中国資本による複数のインフラ整備計画が進む。大型港の権益獲得は中国にとって、スリランカに足がかりを築くうえでの大きな一歩となる。

ラジャパクサ前政権に代わり15年に発足したシリセナ政権は過度の中国依存を改め、日米やインドとの協力関係を深める「全方位外交」を掲げる。ただスリランカは4~5%台の国内総生産(GDP)成長率を保つ一方、慢性的な財政赤字を抱え、政府債務残高のGDP比も80%近い。

巨額の中国からの融資について、高率の利払い負担が発生している。今回の権益売却にはこれを軽減する意図がある。過度の中国依存を修正したくても、中国との関係は引き続き良好に保つ必要がある。

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