2019年2月16日(土)

「IoT」国際規格策定、独米の推進組織が連携合意

2016/3/10 18:43
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ボッシュのインダストリー4.0モデル工場(独南部ホンブルク工場)=同社提供

ボッシュのインダストリー4.0モデル工場(独南部ホンブルク工場)=同社提供

【フランクフルト=加藤貴行】あらゆるモノがインターネットでつながる「IoT」の国際規格策定に向け、ドイツと米国の推進団体が連携することで合意した。次代の製造業の競争軸とされるIoTの規格の標準化が進めば、機器の導入コストの低減などで普及に弾みがつく可能性がある。米独主導で標準化がすすめば、官民でIoTを進めてきた日本への影響も出そうだ。

ドイツの「プラットフォーム・インダストリー4.0(I4.0)」と、米国の「インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)」の両団体の代表がこのほど、産業分野で規格標準化などに必要な工程表や見取り図を互いに持ち寄り、相互に運用できるようにすることで合意した。

ネットワークセキュリティーの標準化などがテーマになる見通し。最終的な標準化は国際機関が決めるが、産業用IoTで先行する独米が組むことで、国際的な議論を主導しやすくする。

産業分野のIoT推進団体と主な加盟企業
プラットフォーム・インダスト
リー4.0(ドイツ)
インダストリアル・インターネッ
ト・コンソーシアム(IIC、米国)
シーメンス(独)ゼネラル・エレクトリック(米)
ボッシュ(独)IBM(米)
SAP(独)インテル(米)
フォルクスワーゲン(独)シスコシステムズ(米)
ドイツテレコム(独)AT&T(米)
ABB(スイス)SAP(独)
IBM(米)シュナイダーエレクトリック(仏)

産業分野のIoTでは、生産活動にかかわる原材料や機器、販売後のサービスなどの情報をセンサー経由で集め、ネットワークで結ぶ。多品種少量生産や省エネのほか、出荷後の機器のトラブルを予見し事前に交換する新サービス創造などの利点がある。開発の効率化にもつながるという。

規格策定に向け、まず両団体が個別に実施している加盟企業同士の実証事業について相互に協力する。製品・サービスの開発の段階から他社と連携し、得意分野を持ち寄る「オープンイノベーション」の手法を、団体の枠を超えて採用する。

今回の合意を巡っては両団体の運営委員会に入っている自動車部品最大手の独ボッシュと、欧州ソフトウエア最大手の独SAPが橋渡し役となった。ボッシュのフォルクマル・デナー社長は9日、「独米の団体は1年前には競合とみられたが、結びついた方がメリットが大きい」と述べた。

SAPは独米IoTの橋渡し役となった(2015年4月のハノーバーメッセ)

SAPは独米IoTの橋渡し役となった(2015年4月のハノーバーメッセ)

技術の標準化が進めばIoTに関連する機器などの量産も期待できる。企業にとって導入コストが下がり、国境を越えた関連サービスも広がりやすくなる。

毎年4月、ドイツで開かれる世界最大級の産業見本市「ハノーバーメッセ」には毎年、パートナー国を定めており、今年は米国に決定している。オバマ米大統領が訪独し、メルケル首相と見本市会場で共同会見する予定。独米が官民挙げて産業用IoTを主導する姿を対外的にアピールする機会となりそうだ。

I4.0はシーメンスやボッシュ、IICはゼネラル・エレクトリック(GE)やIBMやインテルといった独米を代表する製造業やIT(情報技術)大手が運営を主導してきた。日本企業の間でも日立製作所や三菱電機、富士通などがIICに加盟し、米国の先端の取り組みに加わっている。独米主導の構図が鮮明となりつつある中、日本の官民がこの潮流にどう対応するかが焦点になりそうだ。

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