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人民元、4年4カ月ぶり安値 米利上げ意識

【上海=土居倫之】中国の通貨、人民元が対ドルで下落している。9日の上海外国為替市場では終値ベースで約4年4カ月ぶりの安値水準となった。先行きの景気減速懸念を背景に中国からの資金流出が続いているためだ。近く米国の利上げ決定が予想され、緩和傾向が続く中国と反対の金利動向が鮮明になることも、人民元が対ドルで売られる要因になっている。

人民元については国際通貨基金(IMF)が11月30日、SDR(特別引き出し権)の構成通貨の一つに採用すると正式決定した。IMFは人民元取引の自由化拡大を期待している。中国人民銀行(中央銀行)は人民元のSDR入りが決まったあたりから元買い・米ドル売りの為替介入の規模を縮小しているもようだ。

人民元は対ドルで4日続落し、9日の終値は前日比0.17%安の1ドル=6.4280元。終値ベースで2011年8月以来の安値となった。人民銀は9日午前、人民元の売買の基準となる対ドル為替レートの「基準値」を約4年4カ月ぶりの元安水準に設定していた。

人民元安の大きな理由の一つは米中の金融政策の方向性の違いだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)は12月半ばの会合で利上げを決定する可能性が高い。一方、経済成長が鈍化する中国は預金準備率の引き下げなど追加金融緩和に踏み切る公算が大きい。現状で金利水準は中国の方が米国より高く、両国の金利差は縮小する見通しだ。

中国の金融市場ではSDR入り決定で、外国の中銀が人民元の外貨準備への組み入れを増やすとの期待が大きい。人民元の買い付けで「最大3600億ドル(約44兆3000億円)の資金が中国に流入する」(招商証券)との予測もある。人民銀も「人民元が下落を続ける基礎的条件はない」(易綱副総裁)と強調する。

それでも現状では中国景気への懸念を映した資金流出の勢いが上回っている。UBSの胡一帆・財富管理大中華圏首席投資総監は「人民元は対ドルで2016年末に1ドル=6.8元前後まで下落する可能性がある」と指摘する。

中国の11月の外貨準備は前月比872億ドル減の3兆4382億ドル。大規模な元買い・ドル売り為替介入を繰り返したため減少傾向をたどり、過去最高の2014年6月からほぼ1年半で14%減った。市場には「SDR入り決定後、人民銀による元買い・ドル売りの為替介入の規模と頻度は大幅に縮小している」(現地銀行の為替トレーダー)との見方があり、9日の介入も限定的だったもようだ。

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