米タイ合同軍事演習が開幕 派遣規模抑制も重要性を強調

2016/2/9 19:00
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【サタヒープ(タイ中部)=川瀬憲司】タイと米国が共催し毎年タイで行われているアジア最大級の多国間合同軍事演習「コブラゴールド」が9日開幕した。今年で35回を迎えるが、米国は2014年5月のクーデター後の軍事政権体制を理由に昨年と同様、派遣規模を抑制した。それでも北朝鮮の核実験強行など不透明さを増すアジア情勢を背景に、タイとの関係や演習の重要性は不変との立場を強調した。

開会式で入場行進する多国間軍事演習「コブラゴールド」の主要参加国の国旗を掲げた兵士(9日、サタヒープ・タイ)=写真 沢井慎也

タイ国軍によると今回の演習にはタイと米国のほか日本、韓国、インドネシア、マレーシア、シンガポールなど計28カ国が参加。中国もオブザーバーとして名を連ねた。今月19日まで災害援助や人命救助など人道支援活動に関する訓練を行う。参加総数は8775人と、1万人以上だった昨年を下回る。

開幕式典の終了後、米国のデービース駐タイ大使は記者団に対し、クーデターを契機に派遣規模を削減し、演習内容も非軍事活動中心に転換した昨年の流れを引き継いだのは「タイの政治情勢に関する米国の懸念を反映したものだ」と述べた。

一方でデービース大使は、タイとの長期にわたる友好関係や1980年代前半から続く演習の重要性を繰り返し強調した。タイの民政復帰に向けた歩みに停滞感が漂うなか、今年はさらに派遣要員を減らしたとの見方についても、同席した米太平洋司令部のクラッチフィールド中将は「人数は昨年とほぼ変わっていない」と述べた。

今年の演習は、北朝鮮による事実上の長距離弾道ミサイル発射や中国による南シナ海における軍事活動の活発化など地域の安全保障情勢が緊張感を増すなかで開幕した。デービース大使は「我々は地政学的な問題に重点を置いていない」とかわしつつ、中国が今年も参加したことを「前向きな動きだ」と高く評価。北朝鮮への制裁を巡り、協力が不可欠な中国への配慮も強くにじませた。

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