2019年2月22日(金)

ギリシャ、債務減免も焦点に ユーロ圏内には温度差も

2015/7/9付
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【ブリュッセル=森本学】ギリシャ政府が財政改革案を提出するのを受け、欧州連合(EU)は新たな金融支援の交渉へ準備を急ぐ。ユーロ圏首脳らが金融支援を巡る合意の「最終期限」と宣言した12日まで残り2日。これまで議論を封印してきた債務負担の軽減策にまで踏み込むかが焦点となる。

「ギリシャの債務を持続可能なものにしなければならない」。国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は8日、ワシントン市内での講演で、ギリシャ政府の債務負担の軽減にEUは応じるべきだと求めた。EUは6月末に従来の金融支援が失効するまで、ギリシャとの交渉で債務軽減策は「現段階で議論すべき問題ではない」と封印してきた。

ギリシャ政府の債務残高は3月末時点で約3100億ユーロ超(約41兆円超)に達する。ギリシャ危機後に2度にわたりギリシャの財政を持続可能にするための金融支援が組まれてきたが、むしろ増加基調をたどってきた。

「支援策で債務は増えてきた」。ギリシャのチプラス首相は8日の欧州議会での演説で、過去の金融支援策は"失敗"だったと批判。8日にEUなどへ提出した金融支援の要請書では、3年の融資に加え、ギリシャ債務を「持続可能にする手段」の検討も盛り込んだ。

ギリシャの債務負担の軽減への対応にはユーロ圏内で温度差もある。フランスはサパン財務相がかねて債務軽減策の議論について「タブーではない」と柔軟姿勢をみせてきた。一方、ロイター通信によると独財務省の報道官は8日、「現時点で討議する根拠はまったくない」と強硬な姿勢を改めて示した。

ただメルケル独首相も7日の記者会見で債務の削減には反対を強調しつつ、「最終的には債務の持続可能性をどう回復するか討議しなければならないだろう」とも発言。ギリシャが提出する財政改革の中身次第では、議論を排除しない姿勢をにじませた。返済期限の延長や金利軽減などが議論になる可能性がある。

「ギリシャは改革を前進させる意思を示し始めた」(フランスのバルス首相)、「最終合意は可能だ」(イタリアのレンツィ首相)――。フランスや南欧諸国からは12日の合意へ期待の声が相次ぐ。一方、オーストリアのファイマン首相は12日の合意に失敗すれば「プランB(ギリシャがユーロ圏離脱する際の危機対応策)の準備に入る」とギリシャ側をけん制。ドイツをはじめ、北部欧州の多くの国ではなおギリシャへの懐疑的な姿勢がくすぶる。

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