エチオピアが非常事態宣言 反政府デモ頻発で
【ナイロビ=共同】反政府デモが頻発しているエチオピアのハイレマリアム首相は9日、国営テレビを通じて「(デモが)国民に脅威を与えている」と述べ、治安が回復するまでの措置として6カ月間の非常事態導入を宣言した。導入は8日付。ロイター通信が伝えた。
南部オロミア州では今月2日、警官隊がデモ隊に向けて催涙弾を発射、参加者らが折り重なるように倒れ、少なくとも55人が死亡した。
首都アディスアベバの行政区画の拡張計画に対する抗議をきっかけに昨年11月からデモが活発化し、政府の弾圧で400人以上が死亡したとされる。今年のリオデジャネイロ五輪とパラリンピックでエチオピア選手が額の前で両手を交差させるポーズを取って自国政府の圧政に抗議し、注目が集まった。
反政府デモの中心で、オロミア州に多い最大民族オロモ人は政治的にも経済的にも疎外されてきたとの不満を抱えており、少数民族ティグレ人らが掌握する政権への反感が根強い。
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