2019年2月16日(土)

中国、南シナ海の拠点拡大 埋め立て面積4倍に
米国防総省が試算

2015/5/9付
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【ワシントン=川合智之】米国防総省は8日、中国の軍事力に関する年次報告書(2015年版)を発表した。中国が南シナ海で「軍民の作戦拠点に使える」大規模な埋め立てを進めていると指摘し「多くの識者は、中国が現状変更を意図しているとみている」との見方を示した。同省当局者は同日、埋め立て面積が昨年末から4倍に増えたと試算し「南シナ海の領有権争いは平和的な外交手段で解決すべきだ」と中国に要請した。

中国が埋め立てを進める南シナ海のスビ礁。滑走路が建設できるほどの広さがある(4月12日、フィリピン軍撮影)

中国が埋め立てを進める南シナ海のスビ礁。滑走路が建設できるほどの広さがある(4月12日、フィリピン軍撮影)

今回の報告書では南シナ海の埋め立てに関する特別項目を設けた。「14年に中国は南沙(英語名スプラトリー)諸島の5拠点で大規模な埋め立てに取り組んだ」と指摘。14年12月後半時点で500エーカー(約2平方キロメートル)を埋め立てており、港湾や通信・監視、後方支援施設、滑走路などを建設可能としている。

同省当局者は8日、埋め立て面積が現時点で2千エーカー(約8平方キロメートル、東京ドーム約170個分の広さ)に増えたとの試算を記者団に公表。「平和と安定という地域の要望とは一致しない」と批判した。

報告書では「中国は東・南シナ海での不測の事態への準備に重点を置いている」と強調。急速に軍の近代化を進めており「米軍の技術的な優位性が損なわれる可能性がある」と警戒した。中国の国防予算は05~14年の間に年平均で9.5%拡大したとされるが「透明性に欠け、実際の軍事費を見積もるのは難しい」と指摘した。

中国人民解放軍は中長距離弾道ミサイルや対地・対艦巡航ミサイルなどの開発に力を入れていると分析。日本やグアムの米軍基地が射程内に入るとして懸念を示した。サイバー空間や宇宙に対しても展開しているとして「中国は世界で最も活発な宇宙計画を誇る」と指摘した。

報告書は「中国は軍事力拡大や戦略決定を巡る透明性が欠けており、周辺地域で中国の意図に対する懸念が増している」と強調。「人民解放軍の近代化が進むとともに懸念は一層強まるだろう」と批判した。

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