スリランカ大統領選投開票 現職と元側近が大接戦

2015/1/8付
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【コロンボ=岩城聡】スリランカで8日、大統領選が実施された。19人の候補者が立候補した選挙戦は、3期目の当選を狙うラジャパクサ大統領(69)と、野党統一候補で大統領の側近だったシリセナ前保健相(63)による事実上の一騎打ち。現職優位とみられてきたが、「親中国路線」などの見直しを訴えるシリセナ氏の追い上げも激しく、9日に判明する選挙結果は予断を許さない。

ラジャパクサ大統領は2010年9月に与党・スリランカ自由党(SLFP)が支配する議会で、大統領の3選禁止規定を削除する憲法の改正を強行し、昨年11月に任期を2年残して大統領選を行うことを表明した。

ところが、直後に大統領の側近の一人でSLFP事務局長だったシリセナ氏が大統領選に名乗りをあげたことで状況が一変。シリセナ氏は、大統領の兄弟が相次ぎ経済開発相など要職に就いたことは「一族の汚職体質の元凶」だとして「大統領権限の縮小」を掲げる造反劇を演出した。

シリセナ氏に同調する閣僚や与党議員20人以上が相次いで離党。内戦後も対立が続くタミル人政党はシリセナ氏支持に回り、同氏は都市部でも支持を集めた。

シリセナ氏は、現政権の過度な親中路線も問題視。「中国・インド・日本のアジア3大国とのバランス外交を進めるべきだ」と外交政策の根本的な見直しを提唱する。

7日、ラジャパクサ氏の出身地である南部の港町ハンバントタの港湾開発の現場では土砂を運ぶ巨大な大型トラックが砂ぼこりをあげて走り回っていた。かつて漁業と塩田を営んでいた小さな港で中国による開発が始まったのは08年。第1、2期工事の計13億ドル(約1500億円)のうち85%は中国政府の資金援助によるものだ。

中国は近年、パキスタンのグワダル、バングラデシュのチッタゴンなどインド洋沿岸国の港湾を整備。こうしたインド包囲網の「真珠の首飾り戦略」の重要地点であるスリランカは中印激突の最前線ともいえる。事実、中国海軍は昨年11月、潜水艦をスリランカのコロンボに寄港させインドが猛反発した。

選挙結果は9日午前にも大勢が判明する見込み。「大統領の敗北が濃厚になった場合、集計で不正を働いたり軍を動かして選挙を無効にしたりするなどの暴挙にでないか心配される」(外交筋)との声もあり、選挙結果によっては内政が再び不安定化する可能性もはらむ。

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