2019年2月19日(火)

マレーシア当局、国営投資会社を捜索 首相への資金供与疑惑で

2015/7/8付
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【シンガポール=吉田渉】マレーシア警察当局は8日、ナジブ首相への資金供与に関与したとの疑惑が浮上した国営投資会社1MDBの本部事務所を家宅捜索した。疑惑に関連する書類を押収し、中央銀行などと共同で設立した捜査チームで疑惑の真偽を確かめる。ナジブ氏は疑惑を否定する声明を同日発表し、捜査を通じて潔白が明らかになるとの考えを示した。

1MDBは同日発表した声明で「事務所を訪れた捜査当局者に書類を渡した」と認めた。捜査チームは警察長官、中央銀行総裁、法務長官、汚職摘発委員会の委員長が率い、疑惑の解明にあたっている。

ナジブ氏を巡る資金疑惑は米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。7億ドル(約850億円)近い資金が1MDBに関連する企業などを通じてナジブ氏の口座に送られたとする内容だ。

1MDBは首都再開発などが目的の国営投資会社で、ナジブ氏は顧問委員会の会長を務める。同社は1兆円を超す負債を抱えて資金繰りが悪化している。疑惑が事実ならば、経営が傾いた国営企業の資金が首相に流れたことになる。

ナジブ氏は声明で「WSJが報じた疑惑は私の首相辞任を目指す勢力が仕掛けた」と強調した。念頭にあるのはマハティール元首相だ。元首相は1MDBの資金繰り悪化の責任をとり、ナジブ氏は首相を退くべきだとの主張を繰り返している。ナジブ氏は自身のフェイスブックで「一連の報道の背後にはマハティール元首相がいる」と明言している。

焦点は捜査チームの検証結果だ。もし疑惑が払拭できなければナジブ氏は窮地に立つ。マハティール氏の政権攻撃が強まるのは必至だ。現在はナジブ氏支持でまとまっている政権与党の分裂につながる可能性もある。

潔白が証明されれば、ナジブ氏が疑惑を報じたメディアやマハティール氏への攻撃を強める可能性が高い。ナジブ氏はWSJ紙への法的措置を視野に入れて準備を進めているとされている。

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