2019年5月22日(水)

中国、4.5兆円超の基金創設へ 「シルクロード経済圏」

2014/11/8付
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【北京=大越匡洋】中国はシルクロード経済圏構想の実現へ取り組みを加速する。8日に北京で関係国の会議を開き、中国が独自に400億ドル(約4兆5800億円)の基金を創設し、対象地域のインフラ整備を支援すると表明した。中国が中心となって設立するアジアインフラ投資銀行(AIIB)と合わせ、豊富な資金力を武器に周辺地域への影響力を強める。

アジア太平洋経済協力会議(APEC)閣僚会議が北京で開かれた7~8日、習近平国家主席はAPEC加盟国ではないバングラデシュなどの首脳と相次いで会談した。習氏は「『シルクロード経済圏』と『21世紀の海のシルクロード』を建設しよう」と呼びかけた。

中国は8日、バングラデシュ、タジキスタンのほか、ラオス、モンゴル、ミャンマー、カンボジア、パキスタンの首脳と国際会議を北京で開いた。習氏が議長を務める「相互接続パートナーシップ強化対話会議」と名付けた初めての会議で、シルクロード構想の要に位置する国々を集めた。

習氏は会議で、中国が400億ドルの「シルクロード基金」を創設すると表明した。周辺地域の鉄道やパイプライン、通信網などのインフラ整備を援助する。中国が主導して設立するAIIBについても、1千億ドルの資本金の約半分を中国が拠出する予定だ。

AIIBによる融資に加え、同基金を通じて中国がより直接関与する形で資金援助する。豊富な資金力をテコに、米国の意向に左右されにくい広域経済圏を築く考えだ。

中国にとって最大の貿易相手である欧州連合(EU)につながる地域への影響力を強め、中東や中央アジアからの資源輸入の輸送ルートを万全にする狙いもある。中国国内で生産過剰に悩む国有企業の海外進出を後押しする思惑もある。

中国メディアは習指導部のインフラ外交を「中国版マーシャルプラン」と呼ぶ。米国は戦後、西欧の復興を援助し、西欧諸国は流入した多額のドルを使って米国から物資を買い入れた。ドルが世界に広がり、ドルの基軸通貨化が加速した。

中国のインフラ外交もアジアの貿易や投資で人民元の使用を増やし、元を国際通貨に育てる戦略と一体となっている。

▼シルクロード経済圏 習近平国家主席が提唱する構想。陸と海の2つがあり、中国を起点に中央アジアから欧州に至る「シルクロード経済圏(ベルト)」と、中国沿岸部からアラビア半島までを結ぶ海上交通路「21世紀の海のシルクロード」を指す。両者をまとめて「一帯一路」と呼ぶ。

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