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英総選挙、保守党が第1党維持へ

【ロンドン=小滝麻理子】英国の議会下院(定数650)総選挙が7日午後10時(日本時間8日午前6時)に投票が締め切られ開票が始まった。英国放送協会(BBC)などの出口調査によると、キャメロン首相率いる与党保守党が第1党を維持する公算で、単独で過半数の議席に届くかが焦点だ。首相は続投を視野に連立交渉の可能性を含めて政権づくりを進めるとみられる。保守党は欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票の実施を公約しており、金融市場や欧州政治の波乱要因となりそうだ。

徹夜で開票作業が進み、大勢は8日未明(同午後)に判明する見通し。開票直後のBBCなどによる出口調査は、保守党が改選前議席(302)から14議席増やし、316議席を獲得すると予想。労働党は17議席減の239議席としており、差が開いている。

現在の保守党の連立相手の自由民主党は10議席と大幅に議席を減らすと予想。ただ、BBCなどの調査に基づけば、保守党と自民党の合計で過半数の326議席を獲得でき、現行の連立枠組みでの政権を継続できる。

一方でスコットランドの独立をめざすスコットランド民族党(SNP)は現在の6議席から58議席に急増し、第3位の政党になる見通しだ。EU離脱を主張し、保守党から票を奪っている英国独立党(UKIP)は2議席と予想している。

選挙戦ではキャメロン首相が進めてきた緊縮財政など経済政策の是非やEUとの関係が主な争点となった。保守・労働はそろって社会保障や雇用対策の充実、国内の雇用に配慮した移民制限などを約束したが、経済界には格差是正よりも親ビジネス路線を優先する現政権の継続を求める声が多い。

ただ、保守党は2017年までにEU離脱の国民投票を実施することを公約に掲げ、ドイツやフランスなど他国の関心も高い。「Brexit」(ブリクジット)との造語で表現される英国のEU離脱が現実となれば、欧州統合への逆風となるだけでなく、金融市場の大きな混乱が予想される。

直前の世論調査では、保守・労働の二大政党の支持率はともに30%台で低迷。どの政党も単独過半数を獲得できないハングパーラメント(宙づり議会)となるとみられていたが序盤の開票では保守党に勢いがある。単独過半数や、選挙後の連立・閣外協力の交渉で同党が過半数を押さえられるかが焦点だ。

英国の慣習法によると、過半数を制する政党がなければ、まず現職首相が連立交渉する。失敗すれば首相が辞任し、今回の場合は第2党の労働党が交渉する。

Brexit(ブリクジット)

 英国(Great Britain)が欧州連合(EU)を離脱(Exit)することを表す造語。保守党のキャメロン首相は2013年、今回の総選挙で政権を維持した場合に、17年までにEUへの残留の是非を問う国民投票を実施することを公約している。
 保守党や英国民の間ではEUへの国家権限の委譲に懐疑的な声があり、EUに圧力をかけて一部の権限を取り戻すことが目的。調査会社ユーガブの最新の世論調査では、残留を望む回答が45%と優勢で、離脱(33%)を上回っている。
 過去には、デンマーク領のグリーンランドが1985年にEUの前身である欧州経済共同体(EEC)から離脱した前例がある。

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