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「公海での臨検許可」 米提示の北朝鮮制裁決議案

2017/9/7 16:21
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 米国が6日に国連安全保障理事会理事国に提示した北朝鮮に対する追加制裁決議案は石油の全面禁輸などに加えて、公海での臨検を許可する事項も盛り込んだ。公海上で制裁指定された船舶を臨検する際には「あらゆる措置を用いる権限」を与えると明記した。臨検でのあらゆる措置は軍事的手段と解釈されることが多く、米国の強硬姿勢が際立つ内容となっている。追加制裁決議案の要旨は以下の通り。

国連安全保障理事会は11日に北朝鮮制裁決議案を採決する=AP

核・ミサイル停止を

 北朝鮮の核実験は安全保障理事会の決議に違反し、かつ甚だしく無視する行為であり、最も強い表現で非難する。

 北朝鮮が弾道ミサイルの技術を使用したいかなる発射、核実験またはいかなる挑発をこれ以上実施せず、弾道ミサイル計画に関連する全ての活動を停止すること。ミサイル発射の一時停止に関する約束を再確認し全ての核兵器および既存の核計画を完全で検証可能および不可逆的な方法で放棄し、全ての関連する活動を直ちに停止すること。その他いかなる既存の大量破壊兵器および弾道ミサイル計画を完全で検証可能および不可逆的な方法で放棄するとの決定を再確認する。

公海での臨検許可

 全ての加盟国に対し、公海において制裁委員会が指定した貨物船を阻止し、調査する権限を与える。制裁委員会が調査の対象となる船舶を指定できることを決定する。全ての加盟国が公海において制裁委員会が指定した船舶、または安保理もしくは制裁委員会が決議で指定された資産凍結の対象になると認定した船舶を調査すること、全ての加盟国がそのような調査を実施し適切な港に寄港させるなど船舶が適切な行動を取るよう指示するため、国際人道法および国際人権法に完全順守する範囲で必要とされるあらゆる措置を用いる権限を持つことを決定する。

 各加盟国は制裁委員会が指定した船舶、または安保理もしくは制裁委員会が決議で指定された資産凍結の対象になると認定した船舶に公海で遭遇した場合、船舶数、船舶名、登記情報、また調査を実施するためにとった措置を制裁委員会に報告することを決定する。この調査権限は、北朝鮮の情勢においてのみ適用される。

北朝鮮への原油・ガス禁輸

 原油、凝縮油、石油精製品、天然ガスの北朝鮮への輸出を禁止する。北朝鮮がその領土内あるいは国土を通じ、国の船舶、航空機を使って直接、間接的にこれらの製品の供給、販売、移転を行わないことを全加盟国が決定する。

北朝鮮からの繊維製品禁輸

 北朝鮮からの繊維製品(布や部分的、全体的に製作された衣類を含む)の輸出を禁止する。羅津港からの石炭の違法な輸出を禁止する。

北朝鮮労働者の就労許可禁止

 北朝鮮から国外への輸出事業のために北朝鮮国民の雇用や給与の支払いを禁止する。核兵器や弾道ミサイル開発を支える収入を得るために北朝鮮国民が他国で働くことを憂慮する。すべての加盟国はこれらの北朝鮮国民に労働許可証を与えるべきではない。

金正恩氏の資産凍結

 金正恩委員長、朝鮮労働党幹部らの国内外の資産を凍結する。金正恩委員長や労働党幹部、北朝鮮政府関係者、あるいは北朝鮮政府の代理人や北朝鮮に支配されている団体によって直接的、間接的に所有されている資産を凍結することを決定する。

北朝鮮との事業禁止

 委員会が個別の案件に応じ事前許可した場合を除き、各国が自国民もしくは自国の領域内において、北朝鮮の団体や個人と合同で新たな合弁企業や共同事業を開設したり、維持・運営したりすることを禁止する。この決議案の採択から90日以内に、委員会が個別に既存の合弁企業や共同事業の可否を検討し、承認できないと判断した場合には閉鎖する。

 加盟国はこの決議採択から90日以内、もしくはその後の委員会の要請に基づき、決議の規定を効果的に実施するために行った具体的な措置について安全保障理事会に報告することを決定する。専門家パネルに対しては、他の国連制裁モニタリンググループと協力し、加盟国が適宜報告書を準備し提出できるように支援を続けるよう要請する。

人道支援制限せず

 北朝鮮の人々の福祉や固有の尊厳を尊重し、保障することの必要性を強調する。北朝鮮が乏しい資源を核兵器の開発や高額な弾道ミサイルに費やしていることに遺憾の意を表明する。非常に多くの妊婦、授乳中の女性、5歳未満の児童が栄養失調の危険にあり、人口の半数以上が食料および医療不足に苦しんでいるとの調査結果に留意し、懸念を表明する。

 これまでの決議による措置は、北朝鮮の一般市民に対して人道面の悪影響をもたらすものではなく、この決議に禁止されていない経済活動、食料援助、人道支援、一般市民の利益を目的とする国際機関や非政府団体の作業を制限をすることは意図していないことを再確認する。

6カ国協議再開を

 6カ国協議への支持を再確認し、再開を要請する。中国、北朝鮮、日本、韓国、ロシア、米国により2005年9月19日に採択した共同声明に定めた約束(平和的な方法による朝鮮半島の検証可能な非核化、米国および北朝鮮は相互の主権を尊重し平和に共存すること、経済協力を推進することなど)――への支持を再表明する。

平和的解決に尽力

 朝鮮半島および北東アジア全体における平和と安定の維持が重要であることを改めて表明し、事態の平和的、外交的かつ政治的解決の約束を表明し、対話を通じた平和的かつ包括的な解決を容易にするための理事国およびその他の国による努力を歓迎する。

 北朝鮮による順守に基づき必要に応じて措置を強化、調整、停止または解除する用意があることを確認する。北朝鮮による更なる核実験やミサイル発射の場合には厳重な措置をとる決意を表明する。

〈追記〉

 渡航禁止・資産凍結(個人)金正恩委員長ら全5人。

 資産凍結(団体)高麗航空(北朝鮮国営航空会社、武器や関連品について違法な空輸に関与している)など全7団体

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