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米に5.7兆円投資 孫正義氏、トランプ氏と会談

雇用5万人創出

【ニューヨーク=高橋里奈】ソフトバンクグループの孫正義社長は6日午後(日本時間7日未明)、トランプ次期米大統領とニューヨークの「トランプタワー」で約45分間会談した。総額500億ドル(約5兆7000億円)を米国でIT(情報技術)分野を中心にした新興企業に投資し、5万人の雇用を生みだすとトランプ氏に約束した。孫氏はトランプ新政権で米経済が成長し、事業機会も拡大すると期待感を示した。

トランプ氏が11月の大統領選後に日本企業の経営者と会談したことが明らかになるのは初めて。会談後、トランプ氏は孫氏とともにトランプタワーのロビーに現れ、孫氏を「業界で最もすばらしい男の一人だ」とたたえた。両氏が顔を合わせるのは初めてで、会談は両氏の共通の友人を介して実現したという。

孫氏は「我々はもう一度、米国で積極的に投資すると話した」と記者団に語った。孫氏の資料には「今後4年間で米国に500億ドルを投じ、5万人の雇用を創出する」と書かれていた。ソフトバンクがサウジアラビアの政府系ファンドと共同で最大1000億ドル規模をめざして設立するファンドが出資する。孫氏はシリコンバレーに自宅を持ち、米国発の技術革新を注視。米国人幹部が投資先の企業を常時調査する体制を整えている。

トランプ氏については大統領になったら「もう一度(米国の)成長が加速するのではないか」との期待を表明。トランプ政権では「様々な規制が緩和され、米国はビジネスをやる国として、いろいろなチャンスが出てくるだろう」とした。

一方、トランプ氏はソフトバンクの投資計画を「大歓迎だ」と応じた。会談後には「マサ(孫氏)は『トランプ氏が選挙で勝たなければこんなことは決してしなかっただろう』と言った」とツイッターに投稿。大統領選の勝利で企業の大型投資や雇用創出につながると誇った。

ソフトバンクは2013年に約1兆8000億円で米携帯電話3位(当時)のスプリントを買収した。4位のTモバイルUSと合併させて、AT&T、ベライゾンに対抗する第三の勢力をつくる構想だった。米連邦通信委員会(FCC)が認可せず、合併を断念した。孫氏は通信の規制緩和と再編について「今日は話していない。ただ、様々な規制緩和をすると(トランプ氏は)おっしゃっていた」と述べた。

両氏の会談を受け、6日のニューヨーク市場でスプリントの株価は一時、前日比7.0%高の8.61ドルまで上昇した。終値は1.5%高の8.17ドル。7日の東京株式市場ではソフトバンクグループ株が一時、前日比355円(5.1%)高い7311円に上昇し、年初来高値を更新した。スプリントとTモバイルUSの合併観測が再び浮上し、買いを誘っている。

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