パナマ文書提供者「犯罪責任追及のため」 暴露巡り声明
タックスヘイブン(租税回避地)に関するパナマ文書の匿名提供者は6日までに、暴露の目的についてパナマの法律事務所とその顧客による「犯罪の責任を追及するため」と強調し、各国政府や情報機関との関わりを否定する声明を出した。身元や文書入手の方法は明かさなかった。提供者が見解を公表するのは初めて。
声明は、提供者が文書を渡した欧州有力紙の南ドイツ新聞に対して送られ、同紙が国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)を通じパナマ文書報道参加メディアに明らかにした。
パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」について「創設者、従業員と顧客は、関わった犯罪について責任追及を受けるべきだ」と述べた。各国捜査当局が文書を入手すれば「何千件も起訴される」と述べ、違法行為の多さを強調した。
だが当局の捜査に協力しようにも、欧米の不正告発者保護は不十分で、米当局の通話履歴収集を暴露したスノーデン氏のように逆に刑事責任を問われる恐れもあり不可能だと説明。情報源保護のため文書を当局に渡さないICIJの方針を「正しい」と評価した。
提供者は声明で、南ドイツ新聞の前に「世界的に有名、有力なメディア」複数にパナマ文書報道を断られ、内部告発サイトのウィキリークスにも繰り返し連絡したが返答がなかったと説明した。
声明は「革命はデジタルの力で」と題され、税の不公正など市民の怒りを呼ぶ情報を政府が統制しようとしても、情報技術の発達により「全てが明らかになるのに長くはかからない」と述べている。〔共同〕