2019年1月23日(水)

イスラム国「首都」ラッカ奪還作戦開始 クルド人部隊が進攻

2017/6/6 21:11
保存
共有
印刷
その他

【エルサレム=飛田雅則】米国軍が支援するクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」は6日、過激派組織「イスラム国」(IS)が「首都」と称するシリアの都市ラッカの奪還作戦を始めたと表明した。AP通信などが伝えた。イラク軍によるISの最大拠点モスルへの攻撃も最終局面にあり、ISの劣勢は鮮明となっている。

ラッカは首都ダマスカスから約440キロメートル北東にある。ロイター通信は「攻撃を開始した。ダーイシュ(ISの別称)は『首都』を死守するため奪還作戦は激しくなるだろう」とのSDF報道官のコメントを伝えた。SDFは6日に東部から部隊を進めた。ラッカには3千~4千人程度のISの戦闘員がいるという。

シリアでは2011年の民主化運動「アラブの春」で、自由を求めるデモ隊とアサド政権が対立。武力衝突に発展し、激しい内戦状態が続いている。戦闘による混乱で生じた「力の空白」を突いてISが台頭した。ISは勢力を拡大し、14年にラッカを制圧。シリアやイラクをまたがる支配領域の「首都」として機能してきた。

その後、米軍主導の有志連合によるクルド人勢力への軍事支援のもと、ISはじわりと劣勢に追い込まれていた。16年11月にはSDFがラッカを包囲した。奪還に向けて、米トランプ政権は5月にSDFへの武器供与を承認。クルド勢力を敵視するトルコが反発するなか、ISへの掃討作戦を優先させた。米国防総省は「SDFはラッカを近い将来に奪還できる唯一の地上部隊だ」と支援を正当化する。

ISは14年6月に「国家樹立」宣言し、イラクやシリアにまたがる領域を支配した。だが、イラクでもイラク軍が16年10月にモスル奪還作戦を開始し、17年1月にモスル東部を奪還。ISを旧市街のあるモスル西部に追い詰めている。

地上ではイラク軍に加え、アラブ諸国の支援を受けたスンニ派民兵や、イランの影響下にあるシーア派民兵、クルド人勢力がISと戦闘。上空からは米軍主導の有志連合が空爆を続ける。ISのモスルの支配領域は1割以下に低下し、モスル陥落の時期は迫っている。

ラッカやモスルを失えばISには大きな痛手となる。ただ、ISは劣勢を跳ね返そうとテロで反攻に出ており、スウェーデンやパリ、ロンドンでテロが続発している。

日経電子版が2月末まで無料!いつでもキャンセルOK!
お申し込みは1/31まで

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報