2019年1月24日(木)

トランプ氏、ポーランド訪問 安全保障・ガス供給で配慮

2017/7/6 21:57
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【ワルシャワ=川合智之】トランプ米大統領は6日、ポーランドの首都ワルシャワで中東欧12カ国首脳との会合に出席した。トランプ氏はポーランドのドゥダ大統領との共同記者会見で「我々はポーランドとともに、地域を不安定にするロシアの行動に対抗する」と強調。米国産天然ガスの輸出を進める意向も示し、ロシアを警戒する中・東欧諸国に配慮した。

トランプ米大統領とポーランドのドゥダ大統領(6日、ワルシャワ)=ロイター

トランプ米大統領とポーランドのドゥダ大統領(6日、ワルシャワ)=ロイター

トランプ氏は会見で、北大西洋条約機構(NATO)に関し、有事の際に加盟国を防衛する集団的自衛権を定めたNATO条約5条を「強く支持する」と明言した。トランプ氏は「米国は中・東欧の平和と安全の維持に責務がある」とも語り、ポーランドと安全保障面で協力していく考えを表明。7日に予定しているロシアのプーチン大統領との初会談を前に、ロシアをけん制した。

ブリュッセルで5月に開いたNATO首脳会議ではトランプ氏は集団的自衛権への支持を明言せず、「われわれが他国を完全に頼りにできた時代は終わりつつある」(メルケル独首相)と、NATO加盟国内に不安の声があがっていた。

トランプ氏が訪欧の出発点にポーランドを選んだのは、同国がトランプ氏の主張と近い優等生だからだ。トランプ氏はNATO加盟国に対し国防費を国内総生産(GDP)比2%に増やすよう求めているが、ポーランドは目標を達成した5カ国のうちの1つだ。

欧州は一枚岩ではない。ドイツやフランスは貿易や地球温暖化などでトランプ氏と鋭く対立する。一方でポーランドは難民受け入れに慎重で、独仏とは温度差がある。

トランプ氏がドゥダ氏との会談で米国産天然ガスの輸出促進を表明したのも、ポーランドの貢献への見返りの側面がある。エネルギー安全保障の観点からロシア産天然ガスへの依存度を下げたい中東欧にとっても、米国産ガスは渡りに船だ。米メディアによると、米国はポーランドが求めていたミサイル防衛(MD)システムの売却に関する覚書も結んだ。

「テロリズムや過激主義に対し、我々の国境は常に閉じられるだろう」。トランプ氏はワルシャワのクラシンスキ広場で演説し、観衆は大歓声で応えた。地元メディアは与党が観衆を大量動員したと報じており、トランプ氏への配慮がにじむ。一方、独ハンブルクでの20カ国・地域(G20)首脳会議では数万人規模のトランプ氏への抗議デモが予測される。

トランプ氏は演説で「西側世界は事務作業と規制によって偉大になったわけではない」と述べ、官僚主義との批判が根強い欧州連合(EU)を皮肉った。トランプ氏はポーランドで東西欧州にくさびを打ち込んだ形だが、G20ではトランプ氏の「米国第一主義」への批判も予想され、米欧の対立の構図が鮮明になる可能性もある。

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