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エボラ熱治療へ回復患者の血清活用 WHO、専門家と合意

【ベネチア=原克彦】世界保健機関(WHO)は5日、西アフリカで感染が拡大しているエボラ出血熱について、回復した患者の血清を使う治療を優先課題とすることで専門家の合意を得たと発表した。また、ワクチン2種類を早ければ11月にも使用し、未承認薬も動物実験で効果を確認したものは利用を促す。死者数は5日時点で2千人を突破。有効な治療法の確立を急ぐ。

WHOは8月、感染拡大を止めるには未承認薬の投与も倫理的に認められると判断。4~5日の専門家会合で、未承認薬の使用条件や他の治療法についても議論した。

回復した患者の血液に含まれる抗体を輸血などで別の患者に注入すれば、理論上はウイルスに対する免疫を強めることができる。会合後にジュネーブで記者会見したWHOのキーニー事務局長補は「患者は増えたが、治癒した人も増えた。回復した人は治療に血液を提供できる」と語った。

会合で検討したワクチン2種類は「有望である」と評価。安全性を確認したうえで感染国の医療関係者に優先的に使用する。他の未承認薬についても「あるものはすべて使う」(キーニー氏)とした。

ただ、富士フイルムホールディングス傘下の富山化学工業が開発したインフルエンザ治療薬「アビガン」(一般名ファビピラビル)の投与には、現段階では消極的という。キーニー氏は日本経済新聞の取材に「WHOとして使用を禁止するわけではないが、有効に使われるには動物実験で効果が確認されなくてはならない」ことが理由だと語った。

WHOの集計によると5日時点のエボラ熱による死者数はリベリア、ギニア、シエラレオネ、ナイジェリアの4カ国の合計で2105人と2千人の大台を超えた。疑いのある人も含む感染者数は、セネガルも合わせて3967人に達している。

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