2019年7月23日(火)

シリア支援へ1兆円 日米欧など70カ国、共同拠出合意めざす

2016/2/4 21:42 (2016/2/4 23:14更新)
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【ロンドン=小滝麻理子】日米欧など約70カ国の首脳などは4日、ロンドンで内戦が長期化するシリアへの経済支援に向けた会合を開いた。シリアのインフラ復興や、同国からの難民の自立を支援する職業訓練などを柱とする支援提供で一致する見通しだ。必要とされる90億ドル(約1兆円)の共同拠出で合意することも目指す。シリアを安定させ、欧州への難民流入を抑制する狙いもある。

今回のシリア支援会合は、国連が仲介してジュネーブで開かれていたシリアのアサド政権と反体制派の和平協議とは異なる。ジュネーブの和平協議は難航し、3日には中断が発表された。

ロンドンの支援会合の主催者にはキャメロン英首相、ドイツのメルケル首相、国連の潘基文(バン・キムン)事務総長、サバハ・クウェート首長らが名を連ねる。ケリー米国務長官やトルコのダウトオール首相、イランのザリフ外相のほか、欧州連合(EU)のトゥスク大統領、ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさん、非政府組織(NGO)など幅広い関係者も参加。

冒頭のスピーチでキャメロン氏は「この(シリアの)人道危機は最悪で、新たなアプローチが必要だ」と指摘した。

最大の目的はシリアの復興や難民支援に必要な資金を各国が分担する体制を整えることだ。国連による2015年のプログラムは目標の半分しか資金が集まらず、16年はさらに約90億ドルの資金が必要とされる。3日夜時点で各国から総額70億ドル程度の支援提供の考えが示されたという。中期的な資金計画も策定する。

資金は主に(1)400万人以上の難民への職業訓練など自立支援(2)16年度末までに約140万人の難民の子供への教育機会の提供(3)治安対策や医療体制などシリア国内のインフラ整備――にあてる。

米国は8億9千万ドル(約1千億円)の新たな資金負担を表明。日本も教育施設の整備や女性・若年層への職業訓練などのために3億5千万ドルを支援すると明らかにした。

シリアでは11年以降、アサド政権と反体制運動が激しく対立し、内戦に突入した。トルコ、ヨルダンなどシリアからの難民が流入する周辺国の負担は重く、一部は欧州に押し寄せている。難民に就職や教育の機会が与えられなければ、過激思想に染まりやすくなるとの懸念も強まっている。

一方、支援の具体化には難題が山積する。シリアにはアサド大統領の政府軍のほか、過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)、国際テロ組織アルカイダ系を含む多数の反政府武装勢力が活動している。必要な物資や要員を安全に送ることは容易でない。

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