トルコへ難民送還開始 EUとの合意履行、まず200人

2016/4/4 21:39
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【イスタンブール=シナン・タウシャン】トルコから地中海を渡りギリシャへと渡った「不法」な難民・移民のトルコへの送還が4日始まり、第1陣としてパキスタン人ら約200人がトルコ西部ディキリに到着した。欧州連合(EU)とトルコが3月に合意した、欧州への難民らの流入抑制策の新枠組みに基づくもので、EU側によるトルコ国内のシリア難民の直接受け入れも始まった。無秩序な流入に歯止めをかける狙いがある。

ギリシャから送還され、トルコに到着した難民(4日、トルコ西岸)=ロイター

ギリシャから送還され、トルコに到着した難民(4日、トルコ西岸)=ロイター

2015年にシリアなどからトルコを経由してギリシャに渡った難民・移民の数は85万人に達する。最大経由地のトルコとEUは、今年3月、トルコがギリシャに渡った難民・移民の送還に応じる一方、EU各国がトルコ国内の難民キャンプからシリア難民を直接受け入れることで合意した。

送還に応じる見返りに、EUはトルコに対する資金支援を60億ユーロ(約7600億円)に倍増させるほか、トルコ国民がEUに渡航する際の査証(ビザ)免除措置の導入を6月へ前倒しし、トルコのEU加盟交渉も加速させることを決めた。

AFP通信などによると4日朝(日本時間同日午後)にギリシャ東部レスボス島をパキスタン人ら136人を乗せたフェリー2隻が出航。その後、アフガニスタン人ら66人を乗せたフェリーもキオス島を出航し、いずれもディキリに到着した。

フェリーは欧州対外国境管理協力機関(フロンテクス)が用意したトルコの民間船とみられ、ギリシャ、トルコ両国の沿岸警備隊が自国海域で護衛にあたった。

ディキリでは厳重な警備態勢が敷かれ、写真撮影や指紋採取など身元確認が行われた。移送用のバスが港に待機した。

トルコのボズクルEU相は4日、今後の送還対象者のうち約7割をシリア人が占めるとの見方を示した。シリア人以外の難民や移民は、ブルガリア国境に近い西部クルクラレリ県のキャンプに移送した後、「出身国へと送り返す」(ボズクル氏)という。

「強制送還をやめろ」。ディキリの港では、EUとトルコの合意が難民を保護する国際的なルールに違反しているとして、抗議の横断幕を掲げる人の姿がみられた。レスボス島やキオス島でも抗議活動が行われた。

4日にはトルコ国内にいたシリア難民が定住のためドイツに到着した。トルコへの送還開始に呼応した措置とみられる。

送還の対象は3月20日以降にギリシャに到着し、同国で難民申請しなかったり、難民として認められなかったりした「経済移民」ら。20日以降にレスボス島などに到着した難民・移民の数は約4千人に達し、粗末なゴムボートを使った密航は現在も続いている。

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