北朝鮮が弾道ミサイル発射 韓国軍発表
(更新)
【ソウル=山田健一】韓国軍合同参謀本部は、北朝鮮が4日午前9時40分(日本時間同)ごろ、北西部・平安北道から日本海に向けて弾道ミサイル1発を発射したと発表した。6月30日に開いた米韓首脳会談で北朝鮮に対して「断固たる対応をとる」と表明した両国をけん制する狙いがある。弾道ミサイルの種類は不明。韓国軍は追加挑発の可能性もあるとして警戒を強めている。
韓国軍によると、ミサイルは平安北道の方峴(バンヒョン)一帯から発射され約930キロメートル飛行した。高度は数百キロメートル以上と推定される。韓国軍は文在寅(ムン・ジェイン)大統領に関連情報を報告し、同大統領は午前11時30分から国家安全保障会議(NSC)を招集するよう指示した。
文大統領とトランプ米大統領は6月30日に会談し、共同声明で北朝鮮の核問題解決に向けて「最大の圧力」をかける方針を確認した。5月に就任した文大統領は、北朝鮮問題の平和的解決には対話も必要との見方を示すが、北朝鮮が武力挑発を続ける構えをみせたことで対話に向けた環境づくりが一段と難しくなる可能性もある。
北朝鮮は5月29日にも東部の元山(ウォンサン)から弾道ミサイルを発射した。日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したとみられている。6月8日にはやはり元山から日本海に向けて数発の巡航ミサイルを発射。朝鮮半島近海に空母を展開した米国をけん制する狙いがあったとみられる。