北朝鮮弾道ミサイル、安保理が緊急会合
日本「今までなかった事態」
【ニューヨーク=高橋里奈】国連安全保障理事会は3日、北朝鮮が中距離弾道ミサイル「ノドン」とみられるミサイルを発射したことを巡り非公開の緊急会合を開いた。日本は排他的経済水域(EEZ)内に落下したことについて「今までになかった事態で極めて新たな展開」だと緊急性を強調した。非難声明の取りまとめには慎重な意見が出たもようで、引き続き調整する見通し。

日米韓が8月の議長国であるマレーシアに開催を要請した。会合後、米国のサマンサ・パワー国連大使は記者団に対し「迅速で強い対応が必要だ」と訴えた。日本の別所浩郎国連大使はミサイル発射は「全く受け入れられない」と非難した上で、安保理として「世界や北朝鮮にしっかりとメッセージが伝わるような対応をしたい」と述べ、協議を続ける考えを示した。
一方、中国の劉結一国連大使は記者団に対し、朝鮮半島の非核化や平和と安定が必要だと指摘しながら「同時に対話と交渉で問題を解決することが大事だ」と主張。安保理声明などで北朝鮮を強く非難することには慎重な姿勢をにおわせた。
北朝鮮が前回、7月19日に弾道ミサイルを発射した直後、安保理は北朝鮮を非難する報道声明について協議したが、発表には至らなかった経緯がある。
今回は「初めて日本のEEZに直接ミサイルが落下したことからも、我々はとても明快に非難しなければならない」(欧州外交筋)との声が上がったものの、会合では「一致した対応が決まらなかった」(安保理外交筋)。日米を中心として非難声明などを軸に交渉が進むとみられるが、声明がまとまるかは予断を許さない。