2019年9月22日(日)

中国、マレーシアの取り込み加速 哨戒艇売却など合意

2016/11/3 19:38 (2016/11/3 21:21更新)
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【北京=山田周平】中国政府は3日までに、哨戒艇4隻の売却や鉄道整備への中国企業の参画でマレーシアと合意した。訪中しているナジブ同国首相と一致した。マレーシアは南シナ海の領有権を主張している国のひとつ。中国は安全保障や経済での協力を材料に同国を取り込み、南シナ海を巡る争いで米国や日本をけん制する構えだ。

哨戒艇の売却は李克強首相とナジブ氏が1日の会談で合意。マレーシアの国営ベルナマ通信によると、2隻はマレーシアで建造し、性能が良ければ追加購入する。同国が中国製の武器を購入するのは初めてとみられる。

中国中鉄など中国国有3社がマレーシア南部の鉄道190キロの電化・複線化工事を請け負うことも決めた。国営新華社が伝えた。工事費は約145億元(約2200億円)で、中国の金融機関が融資を検討するもよう。

ナジブ氏は10月31日~11月6日の日程で訪中しており、3日に習近平国家主席と会談した。国営中央テレビによると、習氏は「友好・協力の深化は双方の長期的な利益と一致する」と語った。

マレーシアは南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島で領有権を主張する6カ国・地域のうちのひとつ。しかし、オランダ・ハーグの仲裁裁判所が7月に領有権を巡る中国の主張を完全に退ける判決を出した後も、静観していた。

中国はマレーシアとの関係強化は「第三国に照準を合わせているわけではない」(外務省の華春瑩副報道局長)と釈明する。10月に訪中したフィリピンのドゥテルテ大統領に続いて東南アジア諸国連合(ASEAN)の主要国首脳を歓待し、南シナ海問題の幕引きにつなげたい思惑がにじむ。

ナジブ氏にも米国をけん制する意図がある。2日付の中国英字紙チャイナ・デイリーに寄稿し「大国は小国の内政に口を挟むべきではない」と強調。「マレーシアと中国はそれぞれの国の政治システムを尊重することで合意している」とした。

マレーシアは国営投資会社「1MDB」を巡る汚職疑惑を抱え、米司法省はナジブ氏自身が不正に関与したと示唆している。寄稿には中国との関係を深め、自身に対する欧米諸国からの批判を抑える思惑が透ける。

ISEASユソフ・イシャク研究所(シンガポール)のタン・シュームン氏は「ASEANの創設メンバーであるマレーシアの取り込みは、中国がASEAN域内の利益を保持するテコとなる」と指摘している。

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