2019年1月22日(火)

難民対策、独仏が提案へ ハンガリーの駅に数千人

2015/9/4付
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【ロンドン=小滝麻理子、パリ=竹内康雄】欧州に中東やアフリカから難民や移民が過去最高水準で押し寄せ、危機的な状況となっている。ハンガリーの首都ブダペストの駅では3日、難民を排除していた警察が封鎖を解き、数千人の難民らが駅やホームに殺到し大混乱となった。欧州連合(EU)が14日に難民対策を協議するのを前に、独仏首脳は3日、欧州各国で難民を受け入れる方法を共同提案すると表明した。

ブダペスト東駅には、ドイツやオーストリアなどへの渡航を求める難民が数千人規模で連日座り込みを続けている。ハンガリー当局は今月に入り、駅を断続的に封鎖。駅構内から排除された難民らと警官が衝突し、緊張感が高まっている。

ロイター通信などによると、同駅からは3日、難民らを乗せた列車がオーストリアとの国境に近い西部の町、ショプロンに向かった。難民らの最終目的地は経済が豊かで職の確保が見込みやすいドイツや北欧、英仏など。難民らがオーストリアに乗り継げるかが当面の焦点だが、3日夕時点ではブダペスト近郊の難民キャンプのある町で停車。難民らは警官に降車を求められた。

EUへの入り口に位置するハンガリーには「バルカンルート」と呼ばれる陸地沿いの道をたどり、内戦の続くシリアやイラク、アフガニスタンからの難民らが欧州をめざす。足元ではハンガリーに1日3千人前後が流入し続け、今年は計15万人を超えた。

ハンガリー以外にもイタリアやフランス、スペインにも難民らが殺到し、欧州全域の問題となっている。EUは14日、加盟国の法相・内相らによる臨時の閣僚会合を開く。受け入れ可能な難民の絞り込みの迅速化と、国ごとの受け入れの分担が協議の柱になるが、調整難航は必至だ。

特に中東欧で受け入れに慎重な意見が強い。ハンガリーのオルバン首相は3日、ブリュッセルのEU本部を訪れ「難民問題はドイツの問題であり、欧州全体の問題ではない」と強調。これ以上の負担について否定する。

責任分担を巡ってけん制を続ける欧州首脳に対し、欧州世論の風当たりは強まっている。きっかけは2日にギリシャ東部コス島に近いトルコ側の海岸で、シリア出身の溺死したとみられる男児の遺体が見つかったことだ。欧州メディアでは遺体の写真が繰り返し取り上げられ「欧州全体の取り組みが急務だ」(バルス仏首相)との声が欧州首脳からもあがっている。

フランスのオランド大統領とドイツのメルケル首相は3日、電話で緊急協議した。仏大統領府によると、同日中にもEU内での難民受け入れの公平な分担と、EU国境沿いでの受け入れ体制の整備などが柱の共同提案を公表する。

仏独首脳は「EUは解決に向けて行動しなければならない」と訴え、危機打開に向け仏独が主導権を取る姿勢を鮮明にした。だが、ハンガリーのほかバルト3国なども難民受け入れの割当制度に反対しており、欧州の亀裂は深まっている。

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