2019年6月19日(水)

中国、軍内の求心力高める狙いか 南沙で試験飛行

2016/1/3 22:40
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【北京=永井央紀、ハノイ=富山篤】中国外務省の華春瑩副報道局長は2日、南シナ海・南沙(英語名スプラトリー)諸島にあるファイアリクロス(中国名・永暑)礁に新設した飛行場へ航空機を試験飛行させたことを談話で明らかにした。中国は同礁などで埋め立てや滑走路建設を進めていたが、実際に飛行機を飛ばしたのは初めてとみられる。

華氏によると飛行場は既に完成しており、設備が民間航空の利用基準に合致しているか確認するのが目的。中国政府が民間機をチャーターした。華氏は一連の活動は「完全に中国の主権の範囲内のことだ」と強調した。

中国は昨年12月31日から人民解放軍の大規模改革に具体的に着手したばかりだ。軍内では陸軍が主導してきた体制を変えることに抵抗が少なくない。このタイミングでの試験飛行には、中国が譲歩できない「核心的利益」と位置づける南シナ海で強気の姿勢を示すことによって、軍内の求心力を高めようとしたとの見方がある。

もっとも、習近平指導部には米国との対立激化を避けたいとの思いも強い。軍用機を使わない民間機による「試験飛行」は国内外の双方に目配りした結果と言えそうだ。

一方、ベトナムは試験飛行に反発。2日にハノイで中国の大使館側に抗議文を手渡した。3日には「中国船の可能性がある外国船にベトナムの漁船が同国近海で衝突され、沈没した」として中国に緊急の調査を求めた。

試験飛行問題とは直接の関係はないが、中国に厳しく対処する姿勢を示した。ベトナム側によると中国側は情報提供に協力的な姿勢を示した。

中国が14年5月、西沙(英語名パラセル)諸島で石油掘削を始めて以降、越国内では国民の対中感情が悪化している。

ただ、ベトナムは14年の総貿易額の16.8%を中国が占め、輸入に限れば3割に上る。1月下旬にも決まるベトナムの新指導部にも中国共産党から一定の影響力が及ぶ可能性があり、ベトナムとしては硬軟両様の対応をとらざるを得ない。

対中強硬姿勢を強める米国や日本を巻き込んで、ベトナムが前面に立つことなく中国をけん制したいのが思惑だ。

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