トルコ国会、対「イスラム国」越境作戦を承認

2014/10/3付
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【イスタンブール=花房良祐】トルコ国会は2日、隣国のシリアとイラクの過激派「イスラム国」を念頭に置いた軍の越境作戦を承認した。掃討作戦に関連する外国軍の受け入れも承認した。米政府主導の有志連合はトルコの空軍基地から攻撃機を派遣することが可能となり、より柔軟で効果的な掃討作戦を展開できる。

トルコ政府は当初、外交官らが人質とされた事件を理由に米政府主導の有志連合への協力を渋ってきたが、事件解決や欧米からの風当たりが強まったことで、方針を転換した。

トルコはシリア、イラクと国境を接し、南東部にインジルリク空軍基地がある。米軍主導の空爆ではペルシャ湾岸諸国の基地や空母を中心に軍用機が発着しており、米政府はトルコに基地使用の許可を求めてきた。インジルリク基地を使えば、シリアやイラクの上空で攻撃機の滞空時間が長くなり、より効果的な空爆を期待できる。

米国務省のサキ報道官は2日、トルコ国会が軍の軍事作戦を承認したことについて「歓迎する。協力関係の強化を楽しみにしている」と述べた。

シリア領にあるトルコの飛び地を巡る戦闘が発生する懸念も浮上している。トルコ国境からシリア領に約30キロ入った場所にオスマン帝国初代皇帝の祖父の墓地があり、イスラム国が近くまで迫っている。テレビ局CNNトルコによると、軍は戦闘が発生すれば15分で特殊部隊、30分で戦車部隊が援軍で駆けつける計画を立案している。

一方、エルドアン大統領は国会承認に先立つ1日、シリアのアサド政権の打倒が重要だと改めて強調した。イスラム国を空爆してアサド政権を利してはならないとの考えを示したものだ。

トルコは対アサド政権の最強硬派で、イスラム国掃討作戦にどこまで協力するかが焦点だ。アサド政権打倒にもつながるような軍事作戦の要請などで、米政府と駆け引きする可能性もある。

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