中国の大気汚染、14年じわり改善 北京などなお厳しく
【北京=山田周平】中国の環境保護省は2日、主要74都市の2014年通年の大気汚染の状況をまとめた。当局が定めた環境基準を満たさなかった日は平均で34%(124日)と13年を5.5ポイント下回った。当局が進める微小粒子状物質「PM2.5」対策の効果でじわりと改善したが、北京市とその周辺など北部は厳しい結果を示した。
地域別でみると北部の北京・天津市・河北省の13都市で基準未達の日が57.2%に達した。13年に比べ5.3ポイント下がったものの、なお高水準だ。この地区は冬の暖房用に加え、河北に製鉄所が集中しているため石炭の消費が多い。
上海と周辺の25都市の未達の日は30.5%、広州と周辺の9都市は18.4%だった。いずれも比率が5ポイント以上低下し、環境保護省は「政府の汚染対策の効果が出始めている」とした。
ただ、中国の環境基準をPM2.5の濃度に換算すると、1日の平均値で1立方メートル当たり75マイクロ(マイクロは100万分の1)グラムと日本の基準値(35マイクログラム)より緩い。日本の基準を当てはめれば未達の日が増えるのは確実だ。
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