2019年1月19日(土)

香港独立派の出馬認めず 議会選で香港選管
中国政府の意向、反映か

2016/8/2 20:40
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【香港=粟井康夫】9月4日に予定する香港立法会(議会)選挙で、香港の選挙管理委員会は2日、中国からの独立を唱える新政党、本土民主前線の梁天琦氏(25)の出馬を認めないと通知した。「香港は中国の不可分の領土である」と定める香港基本法に違反するというのが理由。民主派は「言論の自由に対する弾圧だ」と強く反発しており、法廷闘争に発展する公算が大きい。

報道陣の質問に答える新政党、本土民主前線の梁天琦氏(7月27日、香港)=AP

報道陣の質問に答える新政党、本土民主前線の梁天琦氏(7月27日、香港)=AP

梁氏は香港の民主化を重視し、中国と距離を置くべきだとする「本土派」の代表格。若者を中心に人気を集め、2月の立法会補欠選挙で事前の予想を上回る15%の票を得た。9月の本選挙に出馬すれば、当選の可能性が高いとみられていた。

梁氏の立候補資格の剥奪は、独立派の議員就任を懸念する中国政府の意向を反映したとの見方が強い。外交・防衛を除く分野で香港に幅広い自治を認める「一国二制度」への疑念がさらに強まりそうだ。

選管は立候補予定者に対し基本法を順守するという誓約書の提出を要求。梁氏は「手段よりも目的が大事だ」として締め切り直前になって誓約書に署名し、香港独立に関する主張も取り下げたにもかかわらず、立候補を認められなかった。

選管は2日の通知書で「梁氏は誓約書に署名したが、過去にはフェイスブックなどで『立法会に入っても香港独立の立場は変えない』と強調していた」と理由を説明した。

梁氏のほかにも独立派数人が立候補を認められなかった半面、誓約書への署名を拒んだ穏健民主派の候補者は出馬を認められている。法律専門家からも「選管の判断は恣意的で、理屈が立たない」との批判が出ている。

梁氏らは「候補者の政治的意見を確かめる権限は選管にはない」として、手続きの正当性を問う訴訟を高等法院(高裁に相当)に起こしている。裁判所が一連の手続きは不当だと判断すれば、選挙自体が無効となる可能性もある。

香港の選管が強硬な姿勢をとる背景には、中国政府の意向があるとの見方が強い。中国共産党序列3位の張徳江・全国人民代表大会常務委員長は5月に香港を訪問した際、「『本土』の名の下に分離を図っている」と本土派を厳しく批判していた。

中国政府の香港出先機関トップ、張暁明・駐香港特別行政区連絡弁公室主任も7月下旬、「香港独立を唱える分子が立法機関に入るのは、一国二制度に合致すると言えるのか」と独立派の出馬をけん制した。

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