2019年3月24日(日)

韓国、富裕層・大企業に増税 格差解消へ税制改正案

2017/8/2 19:38
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【ソウル=鈴木壮太郎】韓国政府は2日、税制改正案を発表した。富裕層や大企業への課税を強化する一方、所得が少ない層への支援を増やす。韓国では投機によって都市部の不動産価格が高騰しており、一般市民が住宅を買えなくなっているとして、不動産取引を制限する法案も同日発表した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が掲げる格差解消が狙いだが、野党は反発している。

韓国政府は7月25日、所得と雇用を増やす「分配」重視の経済政策を発表したばかり。今回の増税案は財源確保策として、急きょ発表された。所得税は新たに、総所得額が5億ウォン(約5000万円)を超える人の税率を現行から2ポイント引き上げ、42%にする。3億~5億ウォンの人も2ポイント上げて40%にする。

法人税は経済人出身の李明博(イ・ミョンバク)政権が2009年、最高税率を22%に引き下げたが、純利益2000億ウォン超の企業を対象に25%に戻す。129社が対象になる。

資産や所得が一定額以下の人や、中小・零細企業への税制優遇は拡大するが、富裕層や大企業からの課税強化により、年5.5兆ウォンを捻出する。

2日発表した「住宅市場安定法案」は、高騰した住宅価格を沈静化させるための「荒療治」だ。ソウル全域を「投資過熱地域」に指定。住宅の転売を厳しく制限し、銀行の融資条件も厳しくする。3日に施行する。

ソウルのマンション価格は00年比でほぼ4倍に跳ね上がっている。金賢美(キム・ヒョンミ)国土交通相は2日の記者会見で、住宅取引量の44%を、すでに住宅を所有している人が占めている現状を指摘。「庶民は一生稼いでも家を買えない一方、マンションを買いだめしている人がいる。政府は住宅を投機の手段にすることは容認しない」と強調した。

政府の今回の一連の政策に、保守系野党は強く反発している。野党第1党の自由韓国党は法人税の引き上げを「企業の足を引っ張る増税」と指摘。即時撤回を求めた。

全国経済人連合会(全経連)は「保護主義の台頭など不確実性が高い状況のため、世界的な法人税の(引き下げ)競争などを総合的に考慮し、政府と国会で踏み込んだ議論を期待する」と、再考を求めた。

不動産政策について中道系の野党第2党の国民の党は「近視眼的な政策で、根本的な問題解決にならない」と批判。中長期的な対策が必要だと主張した。「持つ者」と「持たざる者」の対立が根深い韓国で、賛否の議論が激しくなりそうだ。

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