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米西海岸港湾の労使交渉難航 ポテト以外も輸出遅れ

【シリコンバレー=兼松雄一郎】米西海岸港湾の労使交渉が長引き、労働者側が約2カ月にわたり故意に作業を遅らせている影響が拡大しつつある。日本マクドナルドの「マックフライポテト」M・Lサイズの販売が一時停止されたほかにも、食品、雑貨類などの輸出入手続きに10日程度の遅れが出ているもよう。交渉は難航し、ストライキや港湾封鎖のおそれも出てきた。

米西海岸の29の港湾を代表する太平洋海事協会(PMA)は昨年末、米連邦調停和解局(FMCS)に労組との交渉で仲裁を求めた。昨年6月に本格化した賃金の改定交渉が異例の長期戦となっているためだ。PMAのウェイド・ゲイツ広報担当は「交渉開始から7カ月が経過しても様々な条件で大きな開きがある」という。

経済への打撃を食い止めるため、米小売業協会や米冷凍食品協会、西海岸各地の商工会議所など150以上の経済団体がオバマ大統領に介入を求めている。

西海岸の港湾労働者の賃金改定は6年に一度の大イベント。2002年には西海岸の港湾が実際に封鎖され、経済に大きな打撃が出たため、当時のブッシュ大統領が強制解除に踏み切った。

西海岸は米国への輸入品の約4割が通過する貿易の要所だ。港湾が封鎖された場合の経済損失は1日20億ドル(約2400億円)規模といわれる。既に6割の荷主が迂回輸送を始めており、カナダのバンクーバーやパナマ運河を経由するニューヨークやボストンなど東海岸の港湾の利用を増やしている。ただ、東海岸向け運賃は上がり始めており、他地域の受け入れ可能量にも限界がある。

農作物や玩具、雑貨類など単価が安く空輸に振り替えにくい輸送品に影響が出ている。米物流大手フェデラル・エクスプレス(フェデックス)のフレッド・スミス最高経営責任者(CEO)は「人々が考えているより問題は大きい」とのコメントを出した。

日本の11月の貿易統計では米国からの輸入が前年同月比3.3%減と6カ月ぶりに減少した。肉、野菜、果実、衣類・雑貨などが大幅に減った。米国への輸出も伸びが縮んだ。

米国の小売り・ネット通販の大手は労使交渉による配達遅延の影響に備え、セール前倒しや在庫の積み増しで対応した。最大の商戦期の年末はなんとか乗り切った形だ。

労使交渉が長引く背景には、米経済の回復とともに高まる労働者の賃上げへの期待がある。港湾労働者に多い移民を中心に最低賃金の引き上げを求める動きがシアトルやカリフォルニアなど西海岸で広がっている。

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