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米朝、対立か対話か トランプ氏「環境整えば会談」

2017/5/3 0:03
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 【ソウル=峯岸博、ワシントン=永沢毅】北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐり、対峙する米朝が対話の機会を探り始めた。トランプ米大統領は空母や原潜で圧力をかける一方、1日には環境が整えば米朝首脳会談に応じる意向も示した。北朝鮮は6回目の核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射で米国を威嚇する構えを崩さないが、外交戦に持ち込みたい意思も垣間見える。対立か対話か、北朝鮮情勢は分水嶺に差しかかったようだ。

 トランプ氏の発言は1日の米ブルームバーグ通信とのインタビューで飛び出した。「これはニュースになるだろうね」と前置きしたうえで「環境が適切なら彼と会ってもいいだろう」と述べた。1月の就任後に米朝首脳会談に前向きな発言をしたのは初めて。

 「我々の強力な戦争抑止力によって、朝鮮半島情勢がもう一つの峠を越えた」。北朝鮮外務省は1日発表した談話で、米朝対立による朝鮮半島の緊張がピークをすぎたとの認識を示唆した。トランプ氏の発言は同談話に呼応した可能性もある。

 朝鮮半島の緊張緩和に向けて、米朝は対話に動き出すのか。北朝鮮の環境は整いつつある。

 北朝鮮で故金日成主席生誕105年や軍創建85年という重要な記念日が続いた4月が終わった。当面は目立った国内行事はない。一連の行事で金正恩(キム・ジョンウン)委員長の権力固めが落ち着いたとして、外交攻勢に出てくるとみる専門家も多い。慶南大の梁茂進教授は「米国を相手に武力挑発で威嚇を続ける態度を示しつつ、対話の必要性も感じているとのメッセージを一緒に送った」と談話を解釈した。

 金委員長は昨年5月の労働党大会で「核保有国の地位に見合った対外関係を発展させる」と外交重視の姿勢を表明。4月の最高人民会議では、約20年ぶりに外交委員会を復活させ、対米交渉などのベテランを要職に据えた。朝鮮戦争の休戦協定に代わる平和協定締結への協議を呼びかけてきた北朝鮮にとってトランプ氏の発言は渡りに船だ。

 さらに北朝鮮では毎年5月中旬から田植えの季節が訪れる。「田植え戦闘」と呼ばれ、住民が農業生産量を高めるために農作業に総動員される毎年恒例の行事だ。学生は1カ月程度休学になり農村に向かうとされ、軍の兵士も欠かせない労働力。長引く緊張で田植えが滞れば、秋には食糧難に陥りかねない。持久戦は避けたいのが本音だ。

 焦点は米政権が北朝鮮との直接対話に応じるかどうか。トランプ政権はオバマ前政権の実質的な融和策だった「戦略的忍耐」を転換し、対話のための対話には応じない。戦略目標とする朝鮮半島の非核化とICBMの阻止を対話の条件に突きつけるのは確実だ。

 米朝首脳会談に含みを持たせたトランプ氏は「環境が整えば」とも指摘。「彼(金委員長)がミサイルを米国に撃ってくるような状況では環境は整わない」と語った。

 一方、北朝鮮は米本土に届く核ミサイルをカードに金正恩体制の保証を取り付けたい。イラクやリビアの例をみて、核開発を米国の敵視政策に対抗する独裁体制の生き残り策と信じている。米朝の溝は依然として深い。スパイサー米大統領報道官は1日の記者会見で「明らかに今その条件は整っていない」とした。

 中国はトランプ氏の発言に肯定的な反応を示した。外務省の耿爽副報道局長は2日の記者会見で「米国と北朝鮮は直接の当事国としてなるべく早く政治決断し、行動に移すべきだ」と述べ、早期の米朝対話を促した。「対話や平和的な方法による解決が唯一の現実的かつ正しい選択だと考えている」とも語った。

 3月に始まった米韓合同軍事演習は4月30日に終わったが、米空母「カール・ビンソン」や米原潜「ミシガン」が朝鮮半島近海にとどまり、圧力をかける。北朝鮮は威嚇をやめない。米朝の間で中国はどう渡りをつけるのか。米朝は挑発・けん制を繰り返しながら、中国を交えた水面下の駆け引きを加速させそうだ。

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