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トランプ氏、米企業の国外移転警告 NAFTAは「災害」

【ワシントン=大塚節雄】トランプ次期米大統領は1日、訪問先のインディアナ州で演説し、「企業はこの先、影響を伴わずに米国を離れることはないだろう」と述べ、高関税などの手段をちらつかせて米企業の海外移転を強く警告した。北米自由貿易協定(NAFTA)は「全くの災害」と批判し、「それは変わるだろう」と見直しの必要性を改めて示唆した。

トランプ氏は空調大手の米キヤリア社と工場のメキシコ移転の中止で合意したことを踏まえ、同社工場を地元インディアナ州知事のペンス次期副大統領と訪問。工場の視察後、演説した。聴衆を前にした公の場で演説するのは、大統領選の勝利宣言以来となる。

演説では、キヤリアの判断を「彼らは1100人以上の雇用を維持する。非常にすばらしい」と移転中止の成果をアピール。他の企業が海外移転した場合の「影響」については、移転先の工場から米国に輸入した製品に「重税を課す」と高関税の可能性に言及した。

特定の企業の製品を狙い撃ちして関税を上げることは「法律的にほぼ不可能だ」(日本の外務省幹部)。世界貿易機関(WTO)で約束した税率に収まる範囲内で、関税を引き上げることは可能だが、それでは他の企業の製品まで関税負担が上がることになり"狙い撃ち"にはならない。

トランプ氏は選挙戦でNAFTAの再交渉を主張。大統領選後は環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱方針を表明した一方、NAFTAには言及してこなかったが、反対姿勢を改めて表明した。「メキシコへの一方通行の高速道路だ。我々には何も来ず、すべてあちらに行く」とも話し、米国側に一方的に不利だとの不満を示した。

メキシコとの国境の壁も改めて「信じてほしい。我々は壁を建設する」と明言。大型減税や規制緩和などの政策を通じて国内雇用を守ると強調しつつも、保護主義色の強い公約を遂行する構えも打ち出した。

トランプ氏は選挙戦中からキヤリアの工場移転計画を批判し、再考を強く働きかけた。キヤリアは見返りとして、親会社の航空機・機械大手、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTC)を通じ、インディアナ州政府から10年以上にわたり700万ドル(8億円弱)分の税優遇を受ける。工場に1600万ドルの投資をすることでも合意したという。

キヤリアの移転中止に関し、アーネスト大統領報道官は1日の記者会見で「次期大統領が、あと804回(移転中止に)成功すれば、オバマ政権下での製造業の雇用創出規模に届く」と述べ、こうした手法による雇用維持は非効率だという認識をにじませた。

トランプ氏は1日、インディアナ州からオハイオ州に移り、「感謝ツアー」と銘打つ支持者向けの集会を開いた。来年1月の就任式までに全米各地を訪問する。

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