オバマ氏自ら修正 広島演説の原稿公開

【ワシントン=川合智之】オバマ米大統領のスピーチライター、ローズ米大統領副補佐官は5月31日、オバマ氏の広島訪問時の演説原稿の一部をブログに掲載した。オバマ氏が自ら何度も推敲(すいこう)し、「我々が歴史から学ばなければならないこと」を幅広く反映したと紹介した。
オバマ氏の手書き原稿では、原爆について「人類が自らを滅ぼす能力」といったん書いてから線で消し「人間が自らを滅ぼす手段」と書き直している。細かい言葉づかいまで気を配って手を入れた様子がうかがえる。
ローズ氏はオバマ氏の演説について、人類が争いの衝動を持つという現実主義と、人々が違いを乗り越えて「人類皆家族」と呼びかける理想主義を組み合わせたと説明した。広島には「謝罪に行ったのではない」としながらも、かつて敵国だった日本やベトナムから「圧倒的に温かい歓迎を受けた」と指摘。被爆者との対話では「共通の人間性を確認した」と評価した。