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オーストリア大統領選、やり直し 極右の伸び焦点

【ベルリン=赤川省吾】オーストリアの憲法裁判所は1日、5月に行われた大統領選の結果を無効とする異例の判断を下した。開票の手続きに不備があったとして、大統領選をやり直すように命じた。再選挙では欧州統合に懐疑的な極右政党の候補者がどこまで票を伸ばすのかが焦点となる。英国の欧州連合(EU)からの離脱交渉にも影響を与えそうだ。

オーストリアでは5月の大統領選でリベラル系の緑の党が推すファン・デア・ベレン前党首が、反難民・反EUを掲げた極右・自由党の候補者を僅差で下した。今月8日に新大統領に就任する予定だった。

大統領は政治的な実権は小さいが、国家元首として国を代表する。極右政党が国家の中枢を握るという異常事態はかろうじて避けられたはずだったが、負けた自由党が「選挙に不正があった」と憲法裁判所に異議を申し立てていた。

それを受理した憲法裁は、郵便投票が所定の手続きに沿って開票されていなかったと結論付けた。立会人が全員そろっていないのに作業に取りかかったり、決められた時間よりも早く票の集計を始めたりした事例があったという。投票結果の改ざんはなかったと判断したが、再選挙を命じた。

「選挙に不正があった」という印象が少しでも残れば民主主義への信認が揺らぐ。今回の司法判断には、それを防ぐ効果がある半面、極右にチャンスをもたらした。

再選挙は5月と同じリベラル系と極右の一騎打ちとなり、9~10月に行われる見通し。難民を制限するか、欧州統合を深めるかが争点だ。

極右の候補者ホーファー氏は、EUから離脱すべきか国民投票で問うべきだとの考えを披露したことがある。右派系の大衆紙で「1年以内の実施」を提案した。オーストリア全体でEU離脱を望む人は3割に満たないが、極右支持層に限れば7割が国民投票を望む。

迎え撃つリベラル系のファン・デア・ベレン氏は1日、「再び勝つ自信がある」と語った。だが選挙戦は再び接戦になるとの見方が強い。

反EU機運を封じ込めようとオーストリアだけでなく、英国を除く27カ国のEU加盟国は「結束」を最優先させることになる。この結果、当面は対英交渉にも強硬路線で臨まざるを得ない。

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