2019年3月20日(水)

米利上げの影響「乗り切れる」 インド準備銀総裁

2015/12/1 23:43
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【ムンバイ=堀田隆文】インド準備銀行(中央銀行)のラジャン総裁は1日、同国経済が近く予想される米国の利上げで一定の影響を受けるが「乗り切れる」との認識を示した。原油安が物価安定に寄与しているとも述べた。同日の政策決定会合では政策金利を据え置いたが、1月以降の金融緩和姿勢を今後も続けると明言した。新興国の景気が軒並み減速するなか、インド経済は7%を超える高い成長率を維持しており、政府と足並みをそろえた経済政策の運営に自信をみせた格好だ。

政策金利は年率6.75%に据え置いた。据え置きは2会合ぶり。準備銀は1月、景気の下支えを目指して金融緩和姿勢に転換し、9月下旬まで計4回の利下げを実施してきた。ラジャン氏は政策決定会合後の会見で「一段の緩和を可能にする余地があれば、これを利用する」と述べ、必要に応じて利下げに踏み切る姿勢を鮮明にした。

インドを含めた新興国の経済を巡っては、早ければ12月中旬に予想される米国の利上げ決定が大きな影響を与えるとみられている。利上げで価値を高めるドル建て資産が投資資金を集め、新興国からの資金逃避に拍車がかかると考えられているためだ。ラジャン氏は会見で、米国の利上げがこれからのインド経済に関する政策運営で不安定要因の一つになると認めた。だが、米国が利上げを実行しても「はじめの一定期間、市場が変動してもその後は安定し、(米利上げの波を)乗り切れるだろう」と語った。

ラジャン氏は「(米国の金融政策の動向は)準備銀が政策を決める際に中心となる要因ではない」とも話し、物価など国内動向をより重視する姿勢も説明した。新興国の多くが米利上げ後の資本流出に警戒感を高めるなかで、今後の政策運営に自信をみせた格好だ。

背景にはインド市場の安定感がある。13年夏には米国が量的緩和を縮小するとの観測を受け、インド通貨ルピーは急落した。だが、当時のルピー売りの一因となった経常赤字の大幅な縮小に成功した。外貨準備の水準は輸入の9~10カ月分で、一般に「健全」とされる8カ月分を上回る。

原油安で物価上昇も抑えられている。直近数カ月の消費者物価指数の前年同月比上昇率は3~5%台で推移しており、準備銀が16年1月の目標としてきた6%を下回る。14年前半の7~8%台から大幅に鈍化した。

「ビジネス重視」の成長路線を掲げて14年5月に発足したモディ政権による経済改革には、当初の期待に比べて遅れが目立つ。だが、11月30日に発表された7~9月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比で7.4%伸びた。4~6月期の7.0%から加速した。個人消費が堅調で、設備投資の伸びも6.8%の高さとなった。

ラジャン氏も会見で「農業など足腰が弱い分野もあるが、インドは明確に成長を取り戻す過程にある」と述べ、最近の経済状況を評価した。

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