米と中ロ、対北朝鮮で非難の応酬 国際社会の足並み乱れ鮮明

2017/8/1 21:28
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中国、ロシアが北朝鮮への対応を巡り、米国批判を強めている。ロシア外務省は31日、北朝鮮のミサイル発射について、「米国にこそ責任がある」との声明を出した。中国国連大使も責任を負うべきなのは中国ではないと表明。中ロを北朝鮮の後ろ盾と見なす米国と非難の応酬が続く。国際社会の足並みの乱れが浮き彫りになり、解決に向けた取り組みが破綻しかねない状況となっている。

北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受け、ティラーソン米国務長官は「中国とロシアは増大する脅威に特別な責任がある」と両国を名指しで批判していた。

ロシア外務省は声明で、北朝鮮のミサイル発射と同時に、米国と韓国、日本が軍事活動を強めていると指摘。在韓米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)配備に触れ、「さらに緊張を高めかねない」と、米国の軍事力をちらつかせた介入が事態を一段と悪化させている原因だとの見解を示した。

その上で米国について、「ロシアと中国に責任転嫁している」と述べ、責められるべきなのは米国だと反論した。「モスクワと北京が北朝鮮の核ミサイルへの野望を甘やかしているとの批判は根拠がない」と持論を展開。中ロは対話を通じた解決に向けて「共通のロードマップ」に取り組んでいると、繰り返しロシアと中国を併記して連携をアピールし、国際社会に理解を呼びかけた。

一方の中国も同日、劉結一国連大使が記者会見で「2つの主要なグループ(米国と北朝鮮)が責任を負うべきで、中国ではない」と発言。中国に対して北朝鮮への制裁強化を促す発言を繰り返す米国に反論していた。

米議会がロシアへの制裁を強化する法案を可決したのを受けて、ロシアは米国に対峙する姿勢を強めている。ロシアには米国との関係改善が見通せないなか、膠着する北朝鮮問題で中国との協調姿勢を印象づけ、中国との関係を深化させたい思惑があるとみられる。

中ロはこれまでも北朝鮮に対する厳しい経済制裁に否定的で、エネルギー関連などの輸出入を続けてきた。米国は北朝鮮と取引がある中ロ企業にさらなる制裁の強化を促しており、中ロの反論に制裁強化の圧力を強めることが予想される。中ロと米国との亀裂はさらに深まるとみられ、国際社会が脅威を高める北朝鮮に効果的な対策を打ち出すのを難しくしている。

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