中国製造業の景況感厳しく 指数、2カ月連続で50割れ
【北京=大越匡洋】中国の製造業の景況感悪化が続いている。中国国家統計局と中国物流購入連合会が1日発表した2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.9となり、2カ月連続で景気判断の節目となる50を下回った。前月より0.1ポイント上昇したものの、国内外の需要はなお鈍い。景気を下支えするため、中国人民銀行(中央銀行)は1日、昨年11月に続く利下げを実施した。
PMIは製造業3千社へのアンケート調査をもとに算出する。受注や生産などについて50を上回れば拡大、下回れば縮小を示す。景気の先行きを示す新規受注指数は50.4と、前月より0.2ポイント上昇した。一方、輸出に限った新規受注は48.5にとどまった。前月より0.1ポイント上昇したが、節目の50を下回っている。
生産指数は51.4と、前月に比べ0.3ポイント低下した。中国国務院発展研究センターの張立群研究員は「2月のPMIはわずかに上昇した。(生産活動が鈍る)春節(旧正月)の影響も考慮すれば、景気減速は底打ちし、安定に向かう過程にある」との見方を示した。
中国政府は2月末、零細企業向け減税の拡大など景気下支え策を決めた。人民銀は1日から銀行の預金・貸し出しの基準金利を0.25%引き下げた。追加金融緩和によって企業の資金調達負担を軽くし、景気の減速に歯止めをかけることをめざす。