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STAP細胞を否定、理研調査委 すべてESの可能性

(更新)

STAP細胞を巡る問題で理化学研究所の調査委員会は26日、東京都内で記者会見し、STAP細胞は既存の万能細胞である胚性幹細胞(ES細胞)だった可能性が非常に高いとする報告書を発表した。万能性の根拠となった実験もES細胞の混入で説明できるとし、STAP論文は「ほぼすべて否定」と結論づけた。ただ、混入の経緯などについては判断できず、問題の全容解明には至らなかったが、理研は調査を打ち切ると発表した。

STAP細胞は検証実験で小保方晴子氏が作製できず、存在が事実上否定されていた。さまざまな科学的検証の結果から、調査委はSTAP細胞の証拠となる細胞や組織は「全てES細胞の混入に由来するか、混入で説明できる」と断定した。 調査委は委員長の桂勲・国立遺伝学研究所所長ら7人の外部有識者で構成し、小保方氏の研究室などに保管されている細胞や実験データを調べたほか、関係者らに聞き取り調査してきた。

STAP細胞を変化させた細胞の遺伝子配列を調べたところ、保管されているES細胞と99%以上一致していた。このことから、STAP細胞そのものや、それを変化させたさまざまな細胞はES細胞から作られた可能性が高いなどと断定した。万能性の根拠となっていた緑色に光るマウスについても同様とした。桂委員長は会見で「論文に載ったSTAP細胞がなかったことはほぼ確実だ」と強調した。

ただ、ES細胞を誰がどうやって混入させたかや、過失か故意なのかは「決定的な判断をすることは困難」と結論を避けた。桂委員長によると、小保方氏は自らの意図的な混入を否定した。調査委が求めた実験記録の提出もなかったという。

2つの図表について新たに捏造(ねつぞう)を認定した。いずれも2本ある論文のうち主論文に記載されている。一つは細胞増殖率に関するグラフで実験を手がけた記録がなく、小保方氏が細胞の数を計測していなかった。もう一つはSTAP細胞の遺伝子データを示した図で、実験データとされる結果と一致せず作図したと判断した。

小保方氏が当時所属していた研究室の責任者だった若山照彦・山梨大学教授については不正を認定しなかった。しかし、自殺したため調査対象から外れた笹井芳樹氏とともに「明らかに怪しいデータがあるのに、それを追及する実験を怠った」と指摘し、「責任は特に大きいと考える」と強調した。さらに「(2人を中心とする)共著者が適切な行動をとっていれば問題は、ここまで大きくならなかった可能性が高い」と指摘した。

理研は4月、STAP論文に2つの不正があると認定したが、その後も新たな疑義が浮上し、調査委を9月に設けた。

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