2019年4月21日(日)

産学連携や若手研究者育成、国が数値目標 科学技術政策

2015/11/26 11:56
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内閣府は26日、国の科学技術政策の方針を示す第5期科学技術基本計画の答申案をまとめた。産学連携の強化や若手研究者の育成、女性の活躍促進、中小・ベンチャー企業の創出強化など、政策を評価するための8つの目標数値を同計画に初めて盛り込んだ。目標値は政策の質を高めるための指標で、次期計画などに生かす。

第5期科学技術基本計画の答申案を26日開いた総合科学技術・イノベーション会議の専門調査会で示した。

2016年から20年までの今後5年間の国の科学技術政策をまとめた「第5期科学技術基本計画」は安倍政権の成長戦略を受け、イノベーションを前面に打ち出した。これまで政府の研究開発投資目標だけを示し、成果目標が盛り込まれていないとの一部批判に応えるため、政策の「健康診断」をするための数値目標を盛り込んだ。

イノベーションを進める原動力となる若手研究者は任期付き研究者が多く、長期的な研究に取り込みにくくなっているため、40歳未満の大学教授や准教授などの教員の数を1割増加させ、将来的に全体の大学教員に占める割合が3割以上となることを目指すとした。40歳未満の大学教員数は2013年度で約4万4000人で今後5年で4400人増やす。優秀な若手研究者を増やすため、テニュアトラック制や卓越研究員制度の活用をあげている。

女性研究者の採用割合は第4期科学技術基本計画で自然科学系で30%との数値目標が掲げられていたが、現在も25%程度にとどまっている。このため、この目標を速やかに達成すべきだとした。

世界大学ランキングに論文の引用回数は大きく影響するため、質の高い論文の割合を大幅に高める必要がある。論文の質の向上を目指し、日本の総論文数に占める被引用回数がトップ10%に入る論文数の割合を10%にすることを掲げるとともに、被引用回数がトップ10%の論文数の2割増やすことも盛り込んだ。

大学と企業の産学共同研究を活発化するため、企業から大学への共同研究受け入れ額の目標値を2013年度(約390億円)実績の5割増とした。産学官が一体となったオープンイノベーションを促進できるように、企業、大学、公的研究機関の間の研究者の移動数を2割増やし、特に移動数が少ない大学から企業や公的研究機関への研究者の移動数が2倍になることを目指す。大学や研究開発法人などの研究成果を事業につなげることを推進するため、研究開発型ベンチャー企業の新規上場数を2014年度の30件の2倍とすることを掲げた。

また、イノベーションの創出で意思決定のスピード感に優れる中小企業は重要な役割を果たすことから、特許出願件数に占める中小企業の割合を2014年度の13%から15%に引き上げる目標を盛り込んだ。さらに大学などが持つ特許を活用したイノベーション創出を進めることを目指し、大学などの特許実施許諾件数を2013年度(約1万件)に比べて5割増やすとした。

内閣府は「これらの数値目標はあくまで政策を評価するもので、研究者個人の評価に連動することを主眼にしているわけではない」としている。

今回の答申案では政府の研究費の数値目標は盛り込まれていない。12月までに国内総生産(GDP)比1%で調整し、なんらかの数値を盛り込んだ最終答申案をとりまとめる。

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