/

ノーベル物理学賞、赤崎氏ら日本の3氏受賞

【ストックホルム=山本優】ノーベル賞の授賞式が10日夕(日本時間11日未明)、スウェーデンの首都ストックホルムにあるコンサートホールで開かれた。物理学賞の赤崎勇・名城大教授(85)と天野浩・名古屋大教授(54)、中村修二・米カリフォルニア大教授(60)にそれぞれ、カール16世グスタフ国王からメダルと賞状が手渡された。

「20世紀中は困難」とされた青色発光ダイオード(LED)の基盤技術を赤崎氏と天野氏が開発し、中村氏が実用化への道を切り開いた。

授賞式では、物理学賞選考委員のアン・ルリエー氏が「世界の研究者が断念する中、多大な忍耐と少しの幸運で(LEDに適した)材料を得た。2000回以上実験して成功した」とたたえた。赤崎氏が最初にメダルを受け取り、天野氏、中村氏が続いた。

授賞式の後、市庁舎で開かれる晩さん会に出席し、スウェーデン王室の王族らと交流する。

◇     ◇

難航する研究、もろく崩れる材料、歓喜の青い光――。苦労と努力の末、青色発光ダイオード(LED)の開発でノーベル物理学賞を受賞した日本の3氏は10日夕(日本時間11日未明)の授賞式で、晴れがましい笑顔をみせた。"奇跡のブルー"は省エネルギーで地球温暖化対策に貢献し、これからの社会も大きく変える可能性を秘める。最高の栄誉を受けた3氏の視線はすでに次の研究に向けられている。

スウェーデンの首都ストックホルムのコンサートホールで開かれた授賞式。赤崎勇・名城大教授(85)、天野浩・名古屋大教授(54)、中村修二・米カリフォルニア大教授(60)の3人は国王から順々にメダルを渡されると国王や会場に向かって頭を下げ、大きな拍手を浴びた。

「目にしみるような青色の光は、研究人生で最も思い出深い出来事のひとつだった」

赤崎氏は授賞式に先立つ8日の現地での記念講演で、青色LEDを実現した当時を感慨深そうに振り返った。実現は無理と他の研究者からささやかれながら、初心を貫いて研究を続けた。

85歳と3人の中で最高齢だが、記者会見で今後の活動を問われるとこう答えた。「賞をいただいても変わることはない。今までのような生活を続けるんじゃないですかね」。夢を持ち果敢に研究に挑むつもりだ。

天野氏が受賞につながる研究に取り組み始めたのは大学院生のころ。約30年がたち、大学院に進学し、研究者を志す若者が減っていることを懸念する。「賞金の一部は大学で役立ててほしい」。若手や女性の研究者を支援する考えだ。

自らは太陽電池など電力機器の省エネにつながる「パワー半導体」という部品の効率を青色LEDの技術で向上させることを目指す。「次世代の技術をつくりたい」と意欲をみせる。

「日本人は高品質な製品を作れる。怖がらずにどんどん挑戦をしてほしい」と話すのは中村氏。徳島県に本社を置く日亜化学工業時代の業績が快挙につながっただけに、地方企業や中小企業で働く人も勇気づけた。

中村氏はより効率のいいLED開発を目指す。電気エネルギーを光に変える効率を「今は50~60%。これをなるべく100%に近づけたい」と力を込める。自身は米国で研究を続けるが、日本では海外での研究に挑む学生が減っている。「20年、30年後の日本が心配だ。リスクをとって海外に出てほしい」と若者を鼓舞する。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連企業・業界

企業:

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン