玄海3、4号機「合格」 規制委の安全審査
原子力規制委員会は9日、九州電力玄海原子力発電所3、4号機(佐賀県)の安全審査の合格証にあたる「審査書案」をまとめた。合格は九電の原発では川内1、2号機(鹿児島県)に次ぐ2例目で、全体で5原発10基目。今後、耐震補強などの工事計画の確認と地元の同意などが必要で、再稼働は早くても来夏になりそうだ。
玄海3、4号機は出力118万キロワットと規模が大きく、運転開始から20年前後と比較的新しい原発だ。審査書案は同原発の安全対策が新規制基準を満たすことを示すもので、1カ月間の一般の意見募集を経て、1月にも正式決定する。
規制委は今後、耐震補強など設備の改良の詳細な設計を記した工事計画の確認や現地での検査を進める。先行原発ではこうした手続きのため、正式決定から再稼働までに1年前後かかっている。
九電は早期の運転再開に向け手続きを進める考えだが、再開に必要な地元の同意を得られるかどうかは不透明だ。
玄海原発は新規制基準が施行した2013年7月に九電が安全審査を申請した。審査は順調に進んだが、九電が先に合格した川内1、2号機の再稼働を優先したため時間がかかっていた。